世界初の「衣服の廃棄禁止令」とは?
フランスで2022年1月1日に世界初の廃棄禁止令「廃棄禁止及びサーキュラーエコノミーに関する法律」が施行されました。
これによって、
・商品が与える環境への影響の表示義務
・食品以外での売れ残りの廃棄を原則禁止
・違反した場合は罰金
というルールが生まれ、またサステイナブルな取り組みを支援するファンドの創設などもスタートしています。
ファッションの第一国、フランスから始まった第一歩。
フランスの他にも、オランダでも2023年から導入され、スウェーデンも2024年1月から施行予定だそう。
またブルガリア、イギリス、スペイン・カタルーニャ州でも、法案策定の議論が進められているという。
(参考:ELEMINIST フランスで衣類の売れ残り廃棄禁止法がスタート 寄付・リサイクルを義務化)
これからのファッションの役割は?
これから衣料品廃棄が徐々に制限されていく中で、過剰な生産にブレーキがかかり、ブランドやメーカーは必要な量だけを必要なタイミングで作るようになっていく。
そしてブランドから私たちに対するメッセージも「旬の服」「これが正解」と煽ったものではなく、もっと内面に寄り添った「納得のいく一着を」というメッセージに変化するのではないかと思います。
そしてこれからのファッションは、トレンドではなく、洋服の元々の役割であった「心身を保護する」「装う」「自己実現」に戻っていくように感じます。
「服を新たに生み出すこと」の意味は?
もちろん洋服は、どんなに丁寧に作られて大事に扱っていても消耗してしまう。またなんとなく「似合わなくなったな」と思って自分をアップデートさせたい時、私たちは主に素敵なデザインの新品を選択します。
そして「ものが溢れている今、洋服を生み出す意味」は色んなブランドもデザイナーも、今葛藤していることでしょう。(私もそうです)
ただ今回のような「守るべき基準」ができて、それに沿って一歩踏み出す人たちがいて、みんなで少しでも無駄を減らすよう意識が向き始めている。
一気に世の中全てが変わらなくても、川上の源流から川下へ少しづつ、水流が広がっていくように、作り手・買い手どちらも行動が変わって、もっともっと新たな工夫や発明がきっと生まれてくる。
私はヴィンテージを中心としたセレクトブランドを運営していますが、決して「新品服を買わない」ということが絶対正義だと言いたいワケではないのです。
(ヴィンテージを通じて、より幅広い選択肢や価値観を大事にしたいのです)
私たちは「新品の服をどう買うべきなのか?」「作りすぎた服をどうするのが正解なのか?」の答えはすぐには出なくても、その前の「どうやって生み出すと良いか?」を考えなおす第一歩。
あらゆる固定概念から脱皮中の日本も、ぜひこの法律に続いて欲しいなと思います。
※最後に…筆者が運営しているブランドです
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