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猪走るよ、どこまでも

猪年の私は、これだっということへ初速度MAXで突っ走る傾向がある。

しかも走る道は決まって未舗装の獣道。朽ちた大木が横たわっているし、鬼伝説が語り継がれているような巨石が道を塞ぎがちだし、ぬかるみも毒蛇もいる。「うわっ」と気付くのはいつも走り始めてからだ。

とんでもない悪路に気付いて速度を落とすと、余計にでも嫌なものが目に入る。戻ろうにも、道の始まりはとうに見えなくなっている。スピードを落とし過ぎて、こんな中で立ち止まってしまうのも嫌だ。必死に抜け道を探すけれど、「この道を選んだのは自分じゃん?都合悪くなったら逃げ道ばっか探してダサイ」と忠告してくる自分もいる。

だから、ひたすら走るしかないけれど、ギアはローに落ち込みほぼ惰性で走っているようなもの。ばっと走れば開けた場所に出るかも知れないのに、その勢いすらつけられない。

そのまま闇にのまれて腐ったことが大半だけど、誰かがくれたきっかけでもう一度走り出せたこともある。もうだと座り込んだ場所のすぐ近くに別の道が通っていたり、救助ヘリのロープのような誰かの一言が違う世界の別の道へ降ろしてくれたりする。そうやって、またいつか、気づいたら走っている。後さき考えずに。

私のこの面倒くさい性格を熟知している友だちからは「頑張らないことを頑張れ」と常に言われる。「絶対に頑張ったらいけんよ」とさえ言われる。「頑張ったらダメになるけ、頑張るな」と母からも言われる。

「よっしゃぁ!何も頑張らんぞぉ!」と意気込んで頑張らないようにしても、そこに道があれば猪突猛進で行ってしまう。そして途中でペースダウンし諦めモードに突入し、友だちと母に呆れられる。単細胞すぎるよな…と思わないこともないけれど、そうやっていつでも突っ走れるのは、なんだかんだ助けてくれて笑ってくれる人たちのおかげだ。

1月終わりに就職し(パートだけど)、友だちから一斉に「頑張るな」とメッセージが来た。「頑張らない!頑張らない!」を合言葉に今、サードからトップで走っている。気づかないうちにオーバートップへシフトしているときもあるけれど、そんなときに限って「最近どうよ?」と連絡くれる友だちは最強の猪使いだと思っている。これからもお世話になります、友よ(。。 )ヨロシク

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