週末農業 - 2019 年 6 月
2019 年 6 月 1 日
田舎の土地のお隣さんのおかげで、重機で土を取り除いて駐車できるようにしてもらっていた。これで雨の日でも田舎の土地に行くことができる。心からありがたい。ハンガリー人は見返りを期待することなく助けてくれることが多々あり、お礼を渡すと困惑されることもあるので、取り除かれた土は道路建設に役立っているはずだと考えるようにしている。
やっぱり雑草は自分達の手に負えないようなので、親戚に除去をお願いすることにした。その前に、侵入性・繁茂性の低い植物をキープして名前を特定するために(Facebook にいくつかグループがある)、除去しないように赤い紐でマークすることにした。「不明」とある写真については、お知恵を貸して頂ければ大変ありがたい。
不明
ヤナギバグミと思われる。学名は ELAEAGNUS ANGUSTIFOLIA、英語での通称は RUSSIAN OLIVE。
不明
セイヨウニワトコ。田舎の土地への道路脇に大量に生えているので、雑草のように増殖は簡単なようである。他の雑草の高さがまだ 30 cm 以下ぐらいのときに既に 50 ~ 70 cm の高さに成長していた。
不明
不明
不明
3 月に美しい花を咲かせていたアーモンドはこのように実っている。
2019 年 6 月 2 日
やっと 2 本目の支柱を立てることができた。
不明
昨日雑草を除去しているときに、手袋の中で何かに刺された。飛んで行ったのはミツバチだと思ったが、この症状から判断して、またスズメバチに刺されたようである。すぐにパーリンカをかけ、自宅まで問題なく運転できたが、後で水膨れが大量に発生し、指先まで膨れ上がった。とりあえず EPIPEN のお世話になることはなかっただけでも幸運である。
2019 年 6 月 4 日
支柱を 3 本立てることができた。
2019 年 6 月 8 日
駐車場はこんな感じ。雨が降るとここも滑りやすくなるはずなので、引き抜いた雑草を敷いておいた。
支柱を 2 本立てた。これでフェンスの一辺の準備ができた。支柱の高さは 180 cm、間隔は 250 cm で、合計 15 m。
イチゴ
蚤除け草。英語での通称は FLEABANE。おそらくハルジオンではなくヒメジョオン。カモミールみたいで愛らしいが、立派な雑草で、刈らなければならない。
この青紫の花は、Facebook のグループで「ヒヤシンスの一種ではないか」という情報を得て、ムスカリコモースムと判明した。学名は LEOPOLDIA COMOSA、英語での通称は TASSEL HYACINTH で、ムスカリコモースムより覚えやすいので、以降「タッセルヒヤシンス」と呼ぶ。一番上の青紫の部分は花と書いたが、花は厳密には茎に沿ってヒヤシンスのように咲いている部分である。英語の Wikipedia の情報によると、球根はイタリア、ポルトガル、ギリシャでは珍味として重宝されているらしい。また、ゴッホがデッサンを残している。それも、日本の植物画に影響されてである。ゴッホ美術館の Twitter によると、サン=レミ=ド=プロヴァンスのサン=ポール・ド・モゾル修道院の精神病院で療養しているときに、自室の壁に「Le Japon Artistic」と言う雑誌からの植物画を飾っていたとのこと。これに触発されてタッセルヒヤシンスやその他の植物のデッサンを描いたらしい。今年はこれまで一難去ってまた一難、踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目で、今年初の良い知らせである。
2019 年 6 月 9 日
親戚に雑草を刈ってもらった。あ~すっきり。雑草置場を作って雑草を集めた。オフロードのカーブの部分は底なし沼のように大きいコンクリート片さえ飲み込むのに、雨水は溜めてしまう。そこに雑草を埋めるためである。
2 本だけ支柱を立てた。これはゲートのロックを設置する支柱である。
タッセルヒヤシンスが気になる。親戚はちゃんと 5 本残してくれていたが、1 本刈り取られていたので、球根をチェックしてみた。20 cm ぐらい掘ると薄いピンク色の球根が現れた。どんな味か興味深々だったが、食い意地の張っている私はもっとたくさん収穫したいので、そのままにしておくことにした。
ブラックベリー。野生とか色々あるが、梯子なしでは収穫できないので、種類はわからず、鳥さん達に食べてもらう。
ローズヒップ、つまりイヌバラの実
クルミ
隣の麦
2019 年 6 月 10 日
カメラの充電が十分ではなかったので、動画しかなく、どのような作業をしたかは覚えていないので(フェンスの支柱を何本か立てていた模様)、いつも通る道路の画像をアップしておく。写真ではわかりづらいが、車のコマーシャルにもってこいの並木道である。
2019 年 6 月 11 日
もう片側の支柱を何本か立てた。
作業前(昨日写真を撮っていなかったので)
作業後
傾斜はこんな感じ。お隣さんの土地から無断で撮影させてもらった。
9 日に一緒に来ていた次男が巨大な綿帽子を見つけ、喜んで吹こうとしたとき、タンポポは雑草・アレルゲンというイメージがある私は「ちょっと離れたところでやって」とお願いした(隣の商用トウモロコシ畑は雑草対策がなされているはず)。だが、偶然にも同じ日に Facebook の英語のグループで何の綿帽子か質問している人がいて、学名は TRAGOPOGON、英語では SALSIFY または GOAT'S BEARD、日本語ではバラモンジン、セイヨウゴボウ、またはムギナデシコとわかった。つまり根は食べられる。牡蠣の味がするというコメントもいくつかあった。花の色等、細かいことを調べるには一定の場所に「保護」して観察しなければならないという大義のもと、日曜日に刈られたものを 4 本見つけて飛んで行かないように籠で覆うことにした。自分の食い意地に感心する。さて、私の下心に自然が生易しく応じるかどうか。
途中で通るワインで有名な村のヴィンヤード。これまでに掲載した写真とは別の場所である。180 度のパノラマで、繋げた写真だと細かいところはわからないが、広大な土地でさんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びながらブドウが育っている感じはわかってもらえるかもしれない。
2019 年 6 月 13 日
5 月に何もできず、しばらく張り切って田舎の土地に通っていたので、疲れが出て、この日は支柱を数本立てたのみ。早めに返って、いつも行くホームセンターにどのようなフェンスがあるかを調べに行くことにした。
一番右に見える角の最後の 1 本は残りと整列されていないので、やり直さなければならない。下のゲートがある側より 20 cm ほど広くなったが、すべて目分量で計ったにしては上出来である。
サワーチェリーを 5 個収穫した。
芽の出た白いジャガイモを植えてきた。駄目元で。
ご近所さん達のフェンスを観察した。欧米では鹿対策にはフェンスの高さが 180 cm あっても鹿は簡単に飛び越えるという意見が多いが、すべて 150 cm ぐらいである。用途や作物にもよるのだろうけど、うちでは 150 cm のフェンスの上に有刺鉄線を張ることを検討している。
ホームセンターで色々調べたが、土地が傾斜していることもあり、結局これを買うつもりである。
2019 年 6 月 21 日
フェンスの設営をする予定だったが、4 月に刈ったブドウがまた伸びて他の木に絡みつこうとしているので、その掃除に追われた。
アーモンドの木に絡みつこうとしているブドウ。
緑の葉はクルミだが、合間に見えるツルは昨年まで絡みついていたブドウのツル。今はその除去まで手が回らない。
サワーチェリーの木に絡みついているツル。
また、好奇心に負けてタッセルヒヤシンスの増殖を試みた。まったく方法はわからないが、球根を適当に 3 分割して 3 箇所に植えた。球根の中はタマネギやニンニクよりもニュルニュルしている。
あと、野草の名前の確認にすっかりはまってしまい、名前がわからない野草の写真をいくつか撮った。わかったものについては野生植物図鑑のような形で掲載する予定である。この日一番の発見は、Facebook の英語のグループに質問して名前がわかったノラニンジン(学名は DAUCUS CAROTA、北米では QUEEN ANNE'S LACE または WILD CARROT)。トマトやレタスのコンパニオンプランツ(共栄作物)らしいので保護することにした。
そろそろ帰ろうかというときにヤマちゃん参上。土地の下側に車を停めていたので、車まで降りていく途中にどこかに消え去った。
この日収穫したサワーチェリー。来年はもっと取れるように土地を整備したい。
2019 年 6 月 25 日
作業を始めようとしているときに、近所の農家のご老人が通りがかり、ご老人がワインを作っているブドウ畑に生えているサクランボとサワーチェリーを頂いた。袋を頂かなければ持って帰れないなあと思っていたところ、森を散策するメルヘン少女のような方法で持って帰ることになった。街中ではできないが、こうやって田舎ではプラスチックを節約している。
フェンスのコーナーの支柱を支える添え木を準備した。支柱と同じ木材を 45 度の角度で半分に切り、ビチューメン(瀝青)を塗った。
13 日に植えた白いジャガイモが芽を出していた。
プラムの木は何本かあるが、どれもまともに実がならない。何年もブドウが絡みついていたからかもしれない。
この日は嬉しくない発見があった。半日陰が好きなようで、木の下などに繁殖しており、雑草刈りを免れていたが(親戚は木を傷つけないように雑草を刈っていた)、この可憐な花を咲かせる雑草はヤブジラミと判明した(学名は TORILIS JAPONICA、英語名は JAPANESE HEDGE PARSELEY)。ヨーロッパでは外来種で、果実が衣服につきやすく、益草ではないので駆除しなければならない。Facebook の英語のグループは欧米人が多く、名前に「JAPANESE」や「ASIAN」が付く植物は侵入性の高い外来種というイメージがあるようで(有名なのは「JAPANESE KNOTWEED」ことイタドリ)、ちょっと悲しい。
どこまでも続く麦畑。麦が風に揺られている光景は見飽きない。
2019 年 6 月 27 日
支柱を支える添え木をコーナーと中央の支柱に立てかけてみたが、傾斜があるので物理的に逆に負担になっているような添え木があり、Facebook のグループで尋ねることにした。
ミミズコンポストが余ってきたのでタッセルヒヤシンスのあたりに埋めた。暫く暑いところに置いておいたので、隠れていたミミズが底のほうに集まっていた。ちゃんと調べたつもりだが、こんなにいっぱい隠れていたとは。
この日一番の発見はチコリー(学名は CICHORIUM INTYBUS)。1 本掘り出してみたところ、根菜のような根をしているので Facebook の英語のグループに尋ねてみた。大陸ヨーロッパではコーヒーの代替として栽培されているらしい。
開花したノラニンジン。ソクラテスの処刑に用いられたドクニンジン(学名は CONIUM MACULATUM、英語名は POISON HEMLOCK)と似ているので注意したほうがいい。茎に毛があるかどうか、花に苞葉があるかどうかで区別できる。
雑草刈りとブドウ退治とフェンス設営に四苦八苦している私を余所目に周囲は淡々と農業を営んでいる。
2019 年 6 月 29 日
フェンスのゲートの支柱は鉄材で、木材の支柱より短いので、余った木材の支柱をノコギリで削って差し込んで延長することにした。
この日一番の発見はセイヨウオトギリ(学名は HYPERICUM PERFORATUM、英語名は SAINT JOHN'S WORT)。
人間にとっても益草で、4 種類の虫が群がっているノラニンジン。欧米では大フィーバーなのに、なぜか日本語の Wikipedia には記事がない。
タイトル画像のトウモロコシはもうこんなに育っている。
ハンガリーではいたるところでもうすぐヒマワリが開花する。楽しみ♫
2019 年 6 月 30 日
ゲートの鉄材の支柱をコンクリートで設置することにし、一人では力不足なので長男に来てもらった。
手作業で穴を掘るには 90 cm が限界なので、木材の延長部分を 30 cm ほど切った。
木材の延長部分を 45 cm ほど土の中に埋めた。木材と鉄材がつながっている部分をコンクリートで固めたかったからである。
手押し車でコンクリートを用意した。
木材の延長部分約 15 cm と鉄材の部分約 30 cm の部分にコンクリートを少しずつ流し込み、逆効果かもしれないが、土と同じように棒でつついて固めた。水分が少ないような気もしたが、多いよりはましだと考えた。
凍上を考慮して、地面から数センチ下でストップし、手で平らになるように押さえた。木材の延長部分を土の中にしっかり埋めていたので、既に安定していたが、嵐や強風が発生する可能性もあるので、木材で固定した。
1 か月かかったが、漸くここまで達成できた。