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どれか一つでもお口に合うものがあれば、というプレゼン
例えば学会や授業のように、決まった時間内に何かを説明する場合、その時間内にどこまでの内容を盛り込むかというのは悩ましいところです。
10を話して1しか理解してもらえないなら、私は初めから3を話して2を理解してもらう方が効率がいいと思っています。なので私は学会や授業の内容はかなりコンパクトに絞るようにしています。
先日、私が勤める大学で高校生対象の実験授業がありました。高大連携事業の一環ですね。
今回は私は補佐役に回ったので、主担当は別の先生でした。この先生が、なんというか、全力で準備して下さったので、内容としては超盛りだくさんだったのです。
次から次へ実験をして、さらにまた次から次へと説明を入れていくので高校生もさすがにパンパン。
最後に「振り返り」の時間を設けて、どんな実験をしたかな?という問いかけをしたのですが、数時間前のことなのにみんな脳内がごちゃごちゃになってしまっていて、「えーと、最初は〇〇だっけ」「いや××を最初にしたのでは」「あれ、△△もやらなかったっけ」と言い合うような状態。
うーん、さすがにあれこれ詰め込みすぎたかのかなあ。
…と帰宅途中にいろいろ考えていたのですが、ふっと思い出したことがあります。
ずいぶん前(25年くらい前か)、友人が結婚式をしたときの会場がいわゆる「地元密着型結婚式場」でした(今もあるのかしら)。
コンセプトがあるようなないような式場なので、出てくる料理も和洋中何でもアリアリで、しかも次から次へと出てくるのです。出されたものを頑張って平らげようと思っても本当に次から次へと出てくるので追い付かず、結果的にテーブルの上が大変にぎやかになっていたわけ。
なんかもったいないなあ、と思っていたのですが、後日「結婚式に参列するのは老若男女で年齢も性別も味の好みもバラバラなので、『どれか一つでもお口に合うものがあれば』という理由で様々なジャンルの料理が並ぶ」と聞き、なるほどね、と思ったものです。つまりハナから「全部食え」と言っていないわけ。
高校生の実験もそういう意味では、いろいろな実験や説明の中でどれか一つでも気持ちにハマるものがあれば成功、という考え方でいいのかもしれません。高校生一人一人、みんなそれぞれ心に響いた実験はきっと違っただろうし。
…と言っても、あんなにたくさん作ったスライドもほとんどみんなの心に残っていないと思うと、結婚式場で私が抱いた「もったいないなあ」という感想がそっくりそのまま適用されますね…。