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制服を着てみたかった

小5の終わりに父の転勤があり、家族でついていくことになりました。だいたい3年、長くても5年で戻るとことが決まっていたので、その間は家を賃貸に出していたそうです。

中3になったもののまだ転勤先にいたので、高校受験をどうするかと迷いました。一足先に帰って元の家から通えるところにするか(ただし親がいつ帰ってくるかはわからない)、あるいは祖父母の家から通えるところにするか、はたまた寮のある高校を探すか。ある意味選択肢が広すぎたわけです。

高校受験を見据えて夏休みは祖父母の家に滞在し、そこからみっちり一か月、原宿にあった代ゼミで夏期講習に通いました。そこで社会の先生がある日見せてくれた本が、その名も「東京女子高制服図鑑」

今のネット社会に生きる中学生にはなんのことやらさっぱりでしょうけど、当時、受験校を検討する方法というのは、受験ガイドブックみたいな分厚い本しかなかったんですよ。ガイドブックに載っている情報も少なくて、所在地とか偏差値とか進路くらい。オール白黒だし、もちろん制服情報なんて皆無。

今から思えば、「東京女子高制服図鑑」は一種のマニア向け(制服フェチとか)みたいなニッチなところを狙って出版されたのでしょうけどね。ところがどっこい、これが中学生女子のハートをわしづかみ。そりゃ3年間着るのだったら、かわいい制服のほうがいいですもんね。私も隅から隅まで熟読して受験校の参考にしたものです。

結果的に言うと、あれだけ熟読したにもかかわらず、結局私服の高校(寮があるところ)に進学することになったんですけどね・・・。

ちなみに通っていた中学にも制服はなく、小学校にも制服はなかったので、つまりは制服を着ることなく学生時代を終えることになってしまいました。その後の仕事でも制服というものが存在しないので、未だに制服には憧れがあります。

話はそれますが、上述の本の影響力は非常に大きく、つまり「制服によって受験の倍率が変わる」現象が起きました。あまり特徴のない無難な制服の学校は、その後の数年間で雪崩を打ったかのように可愛らしいデザインへと変化したことは案外知られていない事実。