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カウンターのこっちかむこうか

今年度前期の授業は7月末に終わります。つまりはあと1か月。

どこかのゼミが学期打ち上げ(?)と称して、BBQをするのだそうで。

「○○研が7月×日にBBQするらしいですよ」
とウチのゼミの学生が言うのです。

「だから?」
「え、あの、○○研はBBQをやるって聞いたんで」
「ああ、そう」

何を言わんとしているかはわかってはいるものの、「ウチのゼミでもBBQやりたい」とはっきり言うまでのらりくらりとかわしました。「察してください」はダメ。

で、「ウチでもBBQやりたい」と言わせておきながら、私はBBQが好きじゃないので、あっさり却下してしまいました。

後から考えると、バッサリと却下するのではなくて、じわじわと考えさせればよかったかなという気がします。

私がその昔に読んだ、麺通団団長の田尾さんの言葉なのですが、「学生と社会人との違いはカウンターのこっち側か向こう側」という考え方があります。学生はカウンターの向こう側、つまり「サービスを受ける側」で、見に行く、食べに行く、遊びに行く側。社会人はカウンターのこっち側、「サービスを提供する側」で、見に来てもらう、食べに来てもらう、遊びに来てもらう側。サービスを提供する側が見るのは「お客さん」であって「自分」ではない、というその考え方がめちゃくちゃ腹落ちしたんですよ。

なので、タイミングを見て学生にはそんな話をしたいと思いつつ、こういう話って学生側に「受け入れ態勢」がないとなかなか聞いてくれないので、なかなかできなかったのです。

学生が言うBBQしたい、は完全に「カウンターのこっち側」つまり「お客さん側」の視点なんですよ。学校の備品を使って先生のお金を使って飲み食いしようという意図ですね。そこには「準備」も「後片付け」も考慮されていない。

そう考えると、BBQしたい、と学生が言ったときに、
・キミたちは5限のゼミの時間にBBQをやりたいと言っている。しかしキミたちは4限に授業がある。どうやって準備をするのか?
・BBQで食べるもの、肉や野菜などの食材やタレ、食べるために必要な皿・箸、焼くための炭を買うお金はどこから出すつもりなのか?
・BBQのあとに残った食材の処理、ごみの片付け、BBQセットの洗浄と返却はどのようにするつもりなのか?
ということを考えさせれば良かったかな、と思いました。

といっても、彼らがマジメに考え抜いて、準備も片付けも自分たちでやります、ということになったら、「じゃゼミ以外の時間にキミたちだけでやったらいいよ」と言っちゃいそうな気も、する。