見出し画像

大学院入試

大学院入試のシーズンになりました。私が勤務する大学でも、この夏に大学院入試がありましたよ。

私が勤務する大学でも大学院があるくらいですから今はどこの大学にも大学院がありますけど、昔は大学院って少なかったんですよ。今の大学生は知らないと思うけど!!

私が通っていた大学には一応大学院はあったのですが、私が所属する学科にはありませんでした。それは大学入学時からわかっていることではあったので、ぼんやりと、「大学院に行くなら外部受験をしないといけないんだな」とは意識していたのです。

今そんな話は聞かないですが、私が現役大学生の頃は、「大学院入試には第二外国語が必要」というのが定説でした。実際に受験するときには必要なかったのですが、入学時に先輩からそう吹き込まれ、せっせとドイツ語を取りましたねえ(何一つ覚えていませんが)。

これまた最近はあまり聞かなくなりましたが、当時は「院浪」も普通でした。大学院の浪人、ということで、大学は卒業しても大学院入試のために浪人している状態(研究生になる場合が多かった)。上述したように大学院の数が少なかったですからね。

私の身近にも、同じ大学で同じサークルだった先輩のうちお二人が院浪されていました。「トイレとお風呂以外はずっと勉強してる」という話を聞くにつけ、身の引き締まる思いがしたものです。

私は先生に紹介してもらって、東京の某私立有名大学の研究室を訪問したことがあったのですけどね。行くなり「ウチはもう人数一杯だから無理」と言われたことがありましたよ。内部生でもう定員が埋まってしまうので、外部から受験しないで欲しいってこと。今はどこの大学院も定員を満たせずに四苦八苦していると思うと、隔世の感があるなあ(遠い目)。

すったもんだの末、私は国立大の大学院を目指しました。当時、自分自身ではすっごく勉強していたような気になっていましたが、今から思うとなんとも勉強の仕方が中途半端だった気がします。入手した過去問を眺めて片っ端から取り組んでいましたけど、過去問ズバリが出るわけないのにね(苦笑)。

英語に関してはどうやって勉強したらいいのかわからず、はっきり言って「闇雲作戦」でした。とはいえこれまた今から思うと、英語勉強に関しては大学院入試だろうが英検だろうがTOEICだろうが、結局基本を一からコツコツやる、時間をかけて積み上げていくしかなかっただろうなという気もします。仮に「○○の分野の論文を訳す」みたいな情報がわかっているならともかく、付け焼刃では太刀打ちできませんでした。

案の定試験本番では大苦戦。いくつか和文英訳があったのですが、そのうちの一つの文で、主語である単語(そこそこ専門的)が、どう頑張ってもわからない。やむを得ず「××である◇◇の△△は」と他の単語を組み合わせて出したところ、面接でめちゃくちゃツッコまれました(意味は分かるんだから機転が利くってことじゃないのと好意的な先生もいましたが)。あまり使わない単語はすぐに忘れるものですけれども、この単語だけは多分死ぬまで忘れないと思います。

当時のダメダメ学生だった自分を思い出すと、なんで今大学教員しているのかと不思議になります。普段は「自分のことは棚に上げて」いますけど、ふと正気に戻ってしまうと、こんな私が大学院を目指す学生に面接をしていいのだろうかと、どうにも申し訳ないような、身の置き所がないような気になりますね。