
アドバイスを非難と言われると
最近の考えごと。
例えばですよ。ピアノを習っていたとか、書道を習っていたとか、はたまた野球をやっていたとか、ありますよね。
生まれつきピアノが弾ける人はいないし、バット持った瞬間にバカスカ打てる人もいないわけで、みんな指導を受けて練習することでうまくなっていくはずです。と同時に、周りを観察しながら「ああやるとうまくいくのか」「こうすると失敗するのか」と思ったり、自分以外の人が指導されているのを見て、「なるほどこうするのか」と得心する場合だってあるはずです。
これは別に小さいころの習い事に限らず、中高での部活でも似たようなものだと思います。先生や先輩から指導を受けたり、あるいは他の人の動きを観察したりしながらどんどん自分のものにしていく。
なのですが、「ここ、こうやったらもっとうまくいくよ」というアドバイスがあったときに、素直に受けてれるのではなく、どうも人によっては「人格否定された」「攻撃された」と思うみたいなのです。
そう思ったきっかけは先日の授業。私の(一部の)授業では、学生に課題を出して、二週間かけて調べてまとめたものを発表してもらっているのです。発表を聞いた後で「○○はよく出来ていたけど、××はちょっとわかりにくかったので、△△のようにしたほうがよかったよ」みたいな講評をしています。感覚としては、7割はいいところを挙げて、1割足りなかったところを挙げて、残り2割はこうするといいよというアドバイスをしている感じ。
ここ数年、この方式でやっていて、特に問題はなかったのですけどね。
先日、授業後に学生がこっそりと手紙(というかメモと言うか)を持ってきました。見たら、「みんなの前で非難するのはかわいそうだと思います」みたいなことが書いてあるのです!
えええ、非難!?
例えばバスケ部でコーチがみんなの前で「オマエがシュートをミスるから負けたんだ」と言うのは確かに非難ですよね。でも「今回シュートの成功率が低かったのは、シュートのときの手首の角度はこうなっていたからだ。次からはこうしたほうがいいよ」と言ったときに、それは非難なのか?(成功率が低い、と言う時点で非難なのかな。)
そりゃ誰だって、頑張ったことに対して「よくやった頑張った大成功だ何も問題はない」と言ってほしいんでしょうけどね。でも資料をまとめて発表する、という経験をほとんどしたことのない学生というのは、ピアノを習い始めた初心者のようなもので、ここをこうやったらもっとうまくなるというのは明らかなんですよ。でもそれを指摘することすら「非難」と言われてしまうと、なんかガックリしますね。
ああ、そうか、そういえばよくネットのニュースで、「新入社員にちょっと注意したらパワハラだと言われた」的な記事がありますねえ。根は同じということか。
今までそういうことを言ってくる学生は一人もいなかったのですが、今後こういう考え方の学生が増えてくるのかも、と覚悟しておいた方がよさそうです。部活やってない、とか、やったけどすぐやめた、という学生、確かに多いもんなー。