衛かもめ

衛かもめ

最近の記事

遠い時空の人間たちと繋がってーー北村想『寿歌二曲』(2024|理性的な変人たち|東京幕引き手記3)

・変人たち、しかし理性的な  こんにちは。衛かもめです。  前回と前々回の幕引き手記は、それぞれの舞台を観なかった読者さんも面白く読めるように、ストーリーのあらすじや現場での見聞を出来るだけ丁寧にお伝えしました。  今回は趣向を変えて、同じ舞台を観た方、つまり基本情報をある程度共有できている方を読者と想定して書いてみたいです。  2024年9月19日、「理性的な変人たち」Vol.4『寿歌二曲』の夕星<ゆうつづ>の回を観てきました。  最初に観た「理性的な変人たち」の舞台

    • 何歩も踏み込んだ『逃亡』ーー『逃亡』再演のための試作上演(東京幕引き手記|220240815|三人之会)

      ・高行健の『逃亡』  『逃亡』とは、ノーベル文学賞を受賞した作家である高行健が1989年に脱稿した戯曲である。  1989年6月4日、北京の天安門広場で民主化運動に参加した学生や市民たちが軍隊によって強制退場を迫られ、多くの犠牲者が出た。後に「六・四天安門事件」と呼ばれるこの事件をフランスで聞いた高行健は、異国の地でこの『逃亡』を執筆した。  『逃亡』のストーリーは比較的シンプルで、時空の定まらない廃墟に中年・青年・娘の三人が抗議運動の参加者を狩る軍隊から逃げて隠れ、最後に

      • 重なる家々――イプセン『野がも』(東京幕引き手記1|20240621|劇団俳優座)

        ・『東京幕引き手記』とは  皆さん、こんにちは。  衛かもめ<えい=かもめ>です。  日本語のブログで最初に書きたいものは、この『東京幕引き手記』という、東京で観劇した感想を語るシリーズエッセイです。東京以外で観劇する場合があったら、『出張編』ができるかも知れません。  この『東京幕引き手記』は、以前中国語で何回か勝手気ままに書いたものです。  幕引きの後、その場で受けた感動がまだ鮮明なうちに、すぐ書き記すようにしているので、『幕引き手記』と名付けました。  これから使う

        • 自己紹介 衛かもめ

           皆さん、初めまして。  衛かもめ<えい=かもめ>です。  中国語で名乗る場合、名前を漢字表記にして、「衛鷗」としています。  私、衛かもめは、ゆるゆると日中二か国語で小説や脚本を執筆したり、舞台や映画などの感想のようなエッセイを書いたりしています。  Noteをはじめる理由は、日本語で書いた感想とエッセイを共有したいからです。  特に演劇の感想は、文字にすることでより多くの人とに共有でき、お芝居をより深く楽しめると思っています。  他の執筆活動に関しては、以下の私のブロ

        • 遠い時空の人間たちと繋がってーー北村想『寿歌二曲』(2024|理性的な変人たち|東京幕引き手記3)

        • 何歩も踏み込んだ『逃亡』ーー『逃亡』再演のための試作上演(東京幕引き手記|220240815|三人之会)

        • 重なる家々――イプセン『野がも』(東京幕引き手記1|20240621|劇団俳優座)

        • 自己紹介 衛かもめ