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ターニングポイントは3年前。小規模多機能型居宅介護扇の森が県内ナンバーワンの実績を誇るまでの軌跡

こんにちは、EIJUSOグループ代表の永嶋です。

前回は、2022年度チーム表彰で最優秀賞に輝いた小規模多機能型居宅介護扇の森について、扇の森WEST 施設長の樋口さんに受賞の思いを語ってもらいました。今回は、試行錯誤してきた軌跡についてお話してもらいます。

試行錯誤してきた6年間

前編でもお伝えしたように、私たちは2022年度に初めて年間売上目標を達成しました。ただ、オープン当初から売上を目標に立てていたわけではありません。あまり施設数がないこともあり、何を目標にするのがいいのか模索しており、当時は登録人数を目標にしていました。

1事業所あたりの登録人数の上限は、29人です。しかし、オープン時は登録人数12、13人で相当厳しい状況でした。試行錯誤しながら少しずつ増やすことはできたのですが、平均20~23人が限界で、それ以上はどうしても増やせない。どうしてだろうと悩み続けるそんな状況でした。

この原因は、幅のあるサービスから柔軟に考えられる小規模多機能型居宅介護の特性でもあり、とにかくいろいろな利用者さんを受け入れようとしてきたことでした。特別養護老人ホームから引き抜かれているメンバーは、介護への思いが強いこともあり、とにかく引き受けたいという気持ちが強かったんです。利用者さんやそのご家族からは喜ばれていましたが、運営は厳しく職員たちの働き方もハードに。小規模多機能型居宅介護の良さを最大限に活かせられていないのではと思っていました。

オープンから6年間は、私と管理者、ケアマネージャーの3人でどうしたらいいのか模索し続けていました。通い・泊まり・訪問を1つの事業所で組み合わせながら提供するという複雑なサービスなため、どういう方向性が良いのかを見つけるのが大変でした。

トップ施設を見学したことで、進むべき方向性が定まりました

転機は、3年前に訪れました。神奈川県にある全国トップクラスの小規模多機能型居宅介護を見学させてもらったのがターニングポイントです。そこは利用者数ではなく売上を目標にすることで、運営の仕方を考えていました。

その施設を見学させてもらったことで、管理者とケアマネージャーの考えが180度変わりました。そこから、当事業所で受け入れる利用者さんの現状、介護度のイメージが固まり、地域の病院やケアマネージャーに小規模多機能型居宅介護の魅力や考え方を伝えられるように。地域の病院やケアマネージャーとのつながりを強くすることで、必要とされている利用者さんにサービスを届けられるようになっていきました。

特別養護老人ホーム併設という強みを活かし、機能訓練を提供

最優秀賞に選んでいただいた際に理事長の言葉にもあったように、小規模多機能型居宅介護扇の森では、機能訓練を行っています 。

「家でトイレに行くにはこういう動きができる必要があるから、このリハビリを」「家の入口に階段があるから、階段の練習をしましょう」といったように、利用者さん一人ひとりにあったリハビリを個別で行っており、ご本人様もご家族にも好評をいただいています。

これらが可能な理由は、特別養護老人ホームが併設されているからです。また、小規模多機能型居宅介護は特別養護老人ホームへのサービスの入り口にもなっています。在宅が難しくなれば特別養護老人ホームへ入居を検討できることは売りになっていますし、職員の安心感にもつながっています。

ご家族からは、直接感謝の言葉をもらう機会があり、職員にとっての小規模多機能型居宅介護のメリットです。ご家族をサポートできている実感も湧きやすいですし、息子さんや娘さんが親御さんを1人で介護し、毎日送迎するなどショートステイのような使い方をされていて、その様子を見ていると機能訓練の重要さが実感できます。自分たちの仕事が息子さんや娘さんの支えになっている実感が持てます。ここで働く職員は、長年介護職をやってきた方々ばかりなのですが、特別養護老人ホームではなかなか感じられにくいやりがいを感じているのではないかと思います。

地域で困っている方をサポートし続けられる存在に

3年前から方向転換し、進む方向が定まったことで、ここまで進んでこれました。当初からチーム力がある組織なので、ターニングポイント後もたくさんの問題を職員みんなで乗り越えることができたのだと思っています。

小規模多機能型居宅介護は、小さな規模かつ複雑なサービスで、知れば知るほどハマっていく魅力があります。今後もチーム力を活かして、地域で困っている方のお役に立てる存在でありたいです。


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