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周りの人たちへ恩送り(おんくり)を。「社会福祉法人 永寿荘」に込めた想い【後編】

前編では、私たちが社会福祉法人として福祉に関わるまでの歴史について理事長に語ってもらいました。後編でも引き続き、理事長から「社会福祉法人永寿荘」の誕生にまつわる話を語ってもらいます。

個別ケアを実現する特別養護老人ホームを

「高齢者や福祉に何か力を発揮できれば」。そう思った私は、まずあちこちの老人ホームを尋ねて回りました。まだ社会福祉法人を設立したわけでもないのに、現副理事長である息子も高齢者福祉に関する勉強会に参加してくれていました。

当時の介護施設は多床室の部屋が多く、個室介護はメジャーではありませんでした。しかし、勉強会に参加した副理事長は、「これからの時代は間違いなく個室、個別ケアの時代」と強く宣言しました。

その言葉を受け、当初の設計では4人部屋を計画していたところ、個室に変えることに。私の感覚だけにとらわれるのではなく、若い感性も採り入れることで、第1号となる特別養護老人ホーム扇の森を開所することができたのです。

先祖や地域の方たち。「感謝」以外の言葉はありません
まったくのゼロの状態から始めた社会福祉事業。そんな私たちとともに働く方々が集まり、施設を新たに作ることができたのも、すべて地域の方たちのおかげだと思っています。

扇の森を建築するにあたって側道の幅がわずかに不足した際には、「しんだなさんのためなら」と必要分の土地をお売りいただきました。創業まもなく形もない法人に多くの職員が
集まったのもこれまでの地元の方々とのご縁の賜です。

つつじが丘認定こども園は、前任の理事長の「地元でも信頼の厚い、永嶋さんだからこそ安心して後を任せることができる」という考えで運営することになった園です。

どんなお話も、ご先祖さまが地域の人たちと素晴らしい関係性を築き、誇れる歴史を歩んできてくれたからこそ舞い込んできたものでしょう。

私は、地域の方や職員たちだけではなく、そんなご先祖様にもずっと感謝し続けてきました。幼い頃から、「感謝」以外の言葉がないですね。私はずっと、その感謝に対して恩送り(おんくり)をする人生を歩み続けるのだと思います。

「永寿荘」に込めた想い
最後に、「永寿荘」の名の由来についてお話したいと思います。

永寿荘の「永」は、永久の「永」です。そこに幸せを意味する「寿」を加え、「永寿」としました。「Eijusoグループのサービスを通して地域の永遠の幸福を提供できるようにしていきたい」という想いを込めています。
もちろん、永嶋の「永」が入っていることもひとつの意味ですね(笑)


扇の森には、受付の脇に「永寿」と書かれた額が飾られています。これは、埼玉県の著名な書道家さんが我が家のために直筆で書いていただき寄贈いただいたものです。想いを込めた「永寿荘」の名に恥じないように運営し続けたい。その決意を込めて飾っています。

利用者さんが幸せなだけではなく、職員の皆さんには「永寿荘で働いていてよかったな、楽しかったな」と思っていただける組織にしたいですね。そのためにも、より良い法人になるよう、今後も努力していきたいと思っています。

私たち人間は雨を降らすこともそよ風を吹かすこともできない、ちっぽけな存在ですから、恩送り(おんくり)と言っても何か大きなことができるわけではありません。恩送り(おんくり)をするためには、その相手に信頼してもらえるアプローチが必要です。感謝するだけで終わるのではなく、時代に想いをつなげる恩送り(おんくり)できる言動につなげたい。それが永寿荘立ち上げ前から変わることのない、私の想いです。

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