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小規模多機能型居宅介護扇の森について紹介します
こんにちは、EIJUSOグループ代表の永嶋です。
このたび、EIJUSOグループでは小規模多機能型居宅介護の実績が県内ナンバーワンになりました。今回は、それを記念して小規模多機能型居宅介護扇の森の取り組みについてお話します。
小規模多機能型居宅介護とは
小規模多機能型居宅介護とは、施設への通いを中心に、宿泊や利用者宅への訪問を組み合わせることで生活支援や機能訓練を行うものです。
※厚労省:どんなサービスがあるの? - 小規模多機能型居宅介護
1事業所あたり登録できるのは29名まで。住み慣れた自宅で暮らし続けたい、という利用者の願いを叶え、 通い・宿泊・訪問の介護サービスを同じ施設の顔なじみのスタッフから受けられるというのが大きなメリットです。
2008年から新たな介護保険サービスとして始まりましたが、まだまだ世の中には十分に広がっていません。その要因は、事業運営的に収益を出していくのが難しい点、どのような人が対象になっているのかが明確になっていない点にあると考えています。1つの事業所で3つのサービスを展開するため、ケアマネージャーが通い・宿泊・訪問すべてのケアプランを考えなければならない点も事業所側が大変そうだと思う所以でしょう。
しかし、団塊の世代が後期高齢者になり、介護が必要になるといわれる2040年には、地域社会を支えていくために地域包括ケアが必要です。小規模多機能型居宅介護は、介護が必要な人を地域でサポートしていく中心的なサービスであり、今後ますます必要とされるものだといえます。
EIJUSOグループが小規模多機能型居宅介護事業を始めた理由
EIJUSOグループが小規模多機能型居宅介護事業を始めたのは2013年です。地域密着型特別養護老人ホーム 扇の森WESTに併設する形でスタートしました。
事業を始めた当初、扇の森WESTがあるさいたま市西区には小規模多機能型居宅介護サービスを提供する事業所がありませんでした。素晴らしい理念を持ったサービスではあるものの、先ほど説明したような背景があり、なかなか広がっていなかったのです。
小規模多機能型居宅介護事業が目指すところは、EIJUSOグループの理念である「For The Community 」という考えに沿っています。地域で今行われていないことに取り組んでいくべきだと考え、ぜひトライしようと事業を始めました。
実績ナンバーワンへの道のり
実際に始めたものの、なかなか地域の方々の認知が広まっていきませんでした。まだ世の中に少ないサービスだったため、どう利用すればいいのかわからないという方も多かったのです。
そこで、扇の森WESTでは、地域のケアマネージャーや病院、地域包括支援センターに対し、小規模多機能型居宅介護がどのようなサービスなのかを伝える活動を実施。直接足を運んだりセミナーを開催したりしていくうちに、徐々に利用者が増えていきました。
収益を出すために重要なのは、通いと宿泊・訪問という3つのサービスのバランスを取ることです。小規模多機能型居宅介護は包括報酬になっているため、利用費は1ヵ月単位で計算します。各サービスの利用回数には制限がないため、毎日通いのサービスを提供すればいいのではないかという運営をしている事業所もあります。
しかし、各サービスには定員数の決まりがあり、通いのサービスはおおむね15名以下です。そのため、偏ったサービス提供をしていると、15~6名ほどでサービス提供がおぼつかなくなり、29名の定員に到達できなくなります。より多くの方に利用していただくためにも、3つのサービスのバランスを取ることが大切なのです。
そこで、私たちは小規模多機能型居宅介護に取り組んでいる神奈川県の事業所に見学に行き、どのような形で運営するとバランスが良い利用の仕方になるのかを学ばせてもらいました。
扇の森WESTで行っていることは、ケアマネージャーと管理者とのコミュニケーションを密に取ること。さらに、小規模多機能型居宅介護のメインの利用者は要介護2~5の中重度者の方となるため、要支援の方は基本的には利用しない形で進めていきました。
また、入院後、退院した方向けの退院支援サービスも開始。利用者側には、小規模多機能型居宅介護をデイサービスと認識している方が多く、「毎日デイサービスに来たい人を受け入れてもらえますか?」と聞かれることが多々あるのですが、小規模多機能型居宅介護は3つのサービスを組み合わせて使うことで生活を支えるサービスであり、デイサービスだけでは生活を支えられません。正しい認識を持っていただけるよう、丁寧な説明も必要だと感じ、サービスのホームページやYouTubeでの発信にも取り組みました。
これらの施策を行った結果、埼玉県内の介護情報公表システムの情報を紐解いてみると、小規模多機能型居宅介護扇の森の要介護度と実際の利用者数を掛け合わせた結果がここ1~2年県内ナンバーワンになったのです。
小規模多機能型居宅介護を広めるための活動にも取り組んでいます
世の中にデイサービスは多くありますが、小規模多機能型居宅介護はその10分の1以下と、まだまだ数がありません。運営側にとって参考になる成功事例が少ないため、EIJUSOグループでは、10年間続けてきた運営の試行錯誤をお伝えするオンラインセミナーを2023年2月24日、3月3日、13日、23日の4日間開催しました。
私たちは、世の中に必要とされているものだからこそ小規模多機能型居宅介護事業に取り組んでいます。そのため、自分たちだけが良ければ良いのではなく、私たちの事例がすべての事業者が小規模多機能型居宅介護を上手く運営できるきっかけになればと願っています。