ストーンローゼズを聴いてる
高1の夏。
一目惚れしたあの娘を駐輪場で待ってる。
今日は部活が休みだから、さっきまで教室で友達と喋ってた。俺がその娘を好きなのは、全員が知ってる。
「イケるって!」
そんなわけない。話したことないんだから。
でも、その15分後には俺はヒトリ駐輪場。
きた。クラスで一番頭がいい女の子と二人で歩いてきた。その距離いま20メートル。文化部の君は太陽が似合わない。
「あの!ちょっと話しがあるんだけれどもさ!」
緊張してキモい話し方になった俺にドン引きしながら、あの娘は近づいてくる。
夏のドキドキ。青春。冬に覚えた歌を忘れて、ストーブの中残った石油。
めちゃめちゃ緊張してきた。
「あの、、一目見たときからずっと好」
「ごめんなさい!!」
0.5秒の青春。もう俺を6対1でボコボコにしてくれ。
その出来事はぼんやりとしか覚えてないけど、その日の夜に公園のブランコに揺られ一人、ストーンローゼズを聴いてたのはなぜかずっと覚えてる。なんでストーンローゼズだったんだろう。よく分からないけど、ストーンローゼズじゃなきゃダメだったんだろう。
8年の月日が経ち、夏、今日もまたストーンローゼズを聴いてる。
なんとなく今日も、ストーンローゼズじゃなきゃダメだったんだ。