ゼミ活動
白鴎大学H C網野先生からのアドバイス
今回、はゼミ活動の一環で、現役時代は日本代表としても活躍され、現在は白鴎大学でヘッドコーチをされている網野先生をオンラインでお招きし、ゼミ生からさまざまな視点での質問に答えていただきました。
小谷先生:おはようございます。
学生、網野さん:おはようございます。
小谷先生:本日は、白鴎大学で監督をされている網野監督にお越しいただき、今U−22の日本代表のヘッドコーチをされています。お話をお伺いしていきたいと思います。網野監督、よろしくお願いします。
網野さん:皆さん、おはようございます。よろしくお願いします。
学生:よろしくお願いいたします。
小谷先生:さあ、まずは現在白鴎大学で監督をやられているということなんですけど、白鴎大学の現状はどうですか?(笑)
網野さん:現状?(笑)
小谷先生:今年はどうですか?
網野さん:今年はどうですかね。まあ、関東一部リーグ力が拮抗しているので、本当にどこが勝つか分からないという状況だと思いますね。
小谷先生:今年が狙い目だと(笑)
網野さん:毎年狙っていますよ(笑)
一同:ハハハ
小谷先生:それに合わせてU–22のヘッドコーチもされているということで、そちらについてはA代表との絡みもあって、また下(下の世代)とのつながりとかも色々あって少し難しい年代ではあるかなというところ…育成なのか強化なのかちょっと難しいところだと思うんですけど、そこについての考えを少し教えていただけたら
網野さん:まあ、今小谷先生が言ったようにU–22の大学生の世代っていうのは、育成なのか強化なのかっていうところが入り混じる年代ではあって、諸外国と比較をすると22歳という年齢は殆どがプロとしてクラブで育ってきてフル代表に繋がっていくという諸外国の事情と、あとは日本の状況考えると多くの選手がまだ高卒からBリーグっていうよりは大学を経由してBリーグに羽ばたいていくっていう状況のことを比較すると現状では僕自身は最後の育成だと考えていて大学の世代に対して今後卒業した後にはどういう指導を受けたりとか、チーム状況になっていったりとかそういうことを踏まえて自分の経験と勉強してきているものを教えていっている状況ですね。
小谷先生:なるほど、最後の育成っていうところで強化に繋げていく、A代表の方に繋げていくっていうような位置付けとして捉えられているということですね。はい、ありがとうございます。今日あまり時間がないのでちょっと皆んなにも質問を振っていきたいなと思うんですけど、おそらく手を挙げてって言っても多分すぐいくのはエイジくらいかな(笑)
一同:ハハハ
小谷先生:エイジからいかがですか
エイジ:じゃ、良いですか。どうしようかな…(質問を一つに絞りきれていない)えっと、網野さんは試合の解説とかされていると思うんですけど、的確にコメント短く端的にまとめて話しているのが印象的で、そういう上手い文の作り方というか説明の仕方のコツとかありますか?
網野さん:そうですね、多分今後皆んながコーチの資格を取りに行ったりとか講習会に行ったりとかっていうことがあった時に多分説明を短くしなさいっていうことは言われると思います。自分が普段のコーチングにしても解説の時もそうかもしれないけど、言いたいことの終着点っていうところは自分の中の頭にはあって、解説の時は難しいかもしれないけど、結論から先に話を持っていくことを意識できると少し話が通りやすいかなというのが自分の中にはあります。
エイジ:ありがとうございます。
小谷先生:大丈夫かな
エイジ:はい
小谷先生:結論から言ってその説明に入って詳細に入ってまた最後に結論で締めるっていうのが形…
網野さん:たとえば何だろうな、映画のスパイダーマンってどんな映画ですかって聞かれた時に人それぞれ多分説明の仕方が違うと思うんだけど、自分だったら、ヒーローが街を荒らす悪者を倒すアクションの映画です。っていうように結論をポンって先に言ってあげると、そういうものなんだって頭の中にイメージがつくと思うのね。それを研究場に入り込んだ男の人に毒蜘蛛が噛み付いて蜘蛛の力を手に入れて糸を出す力で悪者を倒す映画なんですよって説明するよりは、結論をね、先に言ってあげると話が通りやすいかなっていうところは意識していますね。
小谷先生:そういう意味ではバスケの指導の時にも最終的な戦術としての終着点はここですよっていう大きい所示した上でここの部分をこういうふうにやっていきますよみたいな流れになってくる
網野さん:そう、流れが多い。こういうところで使うよって
小谷先生:全体像を先に示してしまうっていうのが効果的ではないかっていうところですね。なるほど、ありがとうございます。シンちゃんいかがでしょう。
シン:はい、大学のヘッドコーチとかやられていると思うんですけど、そうした中でインカレが終わった後とか代が変わるごとにチーム作りっていうのを行っていくと思うんですけど、代が変わったとしても、チーム作りをする中で、網野さんの中でキャリアの中でずっと変えていないものって何かありますか?
網野さん:いや特には変えていないというか、やりたいバスケットっていうのは自分の中にあるので、そこの根本的な部分っていうのは変えずにはいってます。自分としてはバスケットの戦術とかそういうものっていうのはすごく時代の流れとともにトレンドがあるので、あんまりこだわりは無いんですよ。戦術自体はね。どういうフォーメンション使うとか、この気に入ったセットプレーをずっと何年も使い続けるとかそういうこだわりは無くて、そういうとこの軸ってあまりないですね。ただ、ディフェンスきちっとやって早い展開でバスケットを取り組みたいっていう根本的なものはもちろんあります。あとは、チーム作りの中では常日頃から思っているのは、大学生の時に一生懸命バスケット頑張っていて学生生活を送っていく中でこれから先のことっていうのはもちろん皆んなそうだと思うんだけど、何が起こるか分からないよね。想像がつかない部分がたくさんあると思うんだけど、自分は大学生を経験してきて社会人になって今こうして教えている立場になっていて学生時代は自由も聞くし、楽しいしっていう思い出は多分小谷先生もそういうことはすごく思うんだけど、でも学生たちには直接はそんなに言っていないけど、自分の哲学としては大学生時代を人生のピークにしない。キャリアのピークにしないっていうことは常日頃から思っていてそういう意味では、いろんなことを挑戦させてチーム作りも含めて作っていくということは意識はしてますね。
シン:ありがとうございます。
小谷先生:大きいバスケットのところで言うとディフェンスから早い展開でのオフェンスというところはずっと軸としてあって、その中でどういう戦術を取り入れるかっていうのはその時のトレンドによって変わってくる。そこにはあんまりこだわりは持っていない…
網野さん:形に対してのこだわりはない。
小谷先生:逆にディフェンスのところっていうのは、こういうこだわりがあるっていうのはありますか?
網野さん:ディフェンスのところに関しては、全体的にボールに対してラインがきちっと上がるっていうところはこだわりがあって、自分の中ではディフェンスの戦術としては、ボールプレッシャーのことをやった時にボールマンだけにプレッシャーかけていても、それと連動して4人がプレッシャーかけきれないと、結局穴ができると。だから、一人がプレッシャーをかけるのであれば4人もボールに対してラインが上がったポジショニングをとって、いつでもヘッジができたり、ヘルプできたりっていう状況を作らなくてはいけない。もし誰かが引くのであれば(ボールラインを)全体的に引いた方が穴というか捨て所の明確さは出てくると思っていますね。
小谷先生:なるほど、引くっていう選択も、もちろんあるし、その時はチームとして連動して引かなくてはいけないし、上がる時にはボールマンだけプレッシャーかけていても、結局他がかかっていなければ、プレッシャーリリースされてしまうから全体として上がらないといけない。では、ジュンタどうでしょう?
ジュンタ:はい、今までの話とはちょっと関係なくなるかもしれないんですけど、僕は自分の母校の高校で学生コーチって感じでコーチングをしてるんですけど、技術面とか戦術とかうまく伝えられるかなって思うんですけど、高校生とか中学生のメンタル面とか人間性とかの指導とかも将来的にはバスケットボールを通してしていかないといけないなと思っているんですけど、そこが難しくて、そういうメンタルとかの伝える時にコツとか何かあったりしますか?
網野さん:えっとー、そういう一番難しいとこだと思うんだよね。ただ、すごくバスケットに対しても影響が大きいところで、そういうところは人間性を作っていったりとかっていう部分が大きくなると思うんだけど、伝え方はもちろん試行錯誤しながらいろんな形で伝えるのが良いと思うんだけど、大事なことは何か伝えて、生徒だったりが何かアクションが良い悪いっていうアクションが起きた時に、それを見逃さずにキャッチできるかっていうところが一番大事な所で、そういったバスケットと一見関係ない挨拶しなさいとか靴揃えなさいとか落ちてるゴミがあったら拾いなさいとか倒れているチームメイトがいたら手を差し伸べにいきなさいとか、そういった行動っていうのは一旦言っただけではそんなに良いアクションが起きずに、一回それをやったからって、「あ、この人良いひとだな」とか起こりにくいものなのね。すごく長い時間のかかるものなので、そういう意味では何か言葉を投げかけて生徒たちがアクションが起きた時に見逃さずに拾ってあげて、「あ、この行動よかったよ」とか「これもう少しこうできるんじゃない」とかっていう、どんな形でも良いからそういう声かけをずっと続けていくってことが大事。日常的に良いものは良い、悪いものは悪いっていうことを言うことによって長い時間かけて人格ってできていくものだと思うので、そこは意識した方が良いと思います。あとは声かける種類としては、これをしたらこうなるよっていうようなメリットを伝えてあげると話は通りやすいかなっていうのは思いますね。そのためには、マツダ君(ジュンタ)もたくさんのことを経験しなくてはいけないと思うし、そこをね一緒に成長していくようなつもりで接してあげると良いかなって思いますよ。
ジュンタ:生徒を観察して、何かした後にアクションに対してリアクションしてあげて、僕も一緒に何か…学びというか…し続けた方が良いってことですね。ありがとうございます。
小谷先生:さあ、かっちゅん、いかがでしょうか。
かっちゅん:はい。バスケを教える場として中学とか高校とか色々あったと思うんですけど、なんで大学でバスケを教えようと思ったのか気になります。
網野さん:はい。なぜ大学を選んだかというと、自分が日本代表を選手として経験させてもらってバスケットに対してだったりとか代表に対してだったりとかという思い入れはすごく自分では強いと思っていて、プロになったり代表経験したことによって自分の人生も開けたっていう思いもあって、それを考えた時に、じゃ日本のバスケットってどこを強くしたらもっと良くなるんだろうなっていうことを考えていました。キャリアの終盤くらい、プロ選手やりながらキャリアの終盤くらいすごくそういうことを考えていて、例えばU–18の高校生の日本代表、アジアでそこそこ勝ちます。U–22のの方になると、アジア選手権っていう大会はないけれども、ユニバーシアードにいった時に全く勝てない。A代表になってから今のBリーグができて、きちっと強化が進んで、昨日もイランに勝ったり(男子日本代表国際強化試合2021宮城大会)とかっていうことが起きてますけど、は中々間に合わない(世界と戦うための準備が)っていうところが自分の中にあって、今の日本のバスケットの強化の流れからすると大学っていうところが1番キーになる世代なんじゃないかっていうことを考えていて、じゃ自分がそこに関わろうていう風に思って大学院に行って修士取って、大学で教えるってことは今の日本の現状考えるとプロコーチでは生活できないので、教員になろう。それできちっとチームを見ようっていう想いから現状に至っていますね。
かっちゅん:ありがとうございます。
小谷先生:かっちゅんは将来指導者とか考えているの?
かっちゅん:いや、あんまり考えてはないです。
小谷先生:うんうん、教員を考えてんの?
かっちゅん:教員も考えてないです。
小谷先生:あー、そうなんだ。さあ、レンシどうでしょう。
レンシ:はい。今までキャリアとしてバスケをやってきたと思うんですけど、その中でプロとか行ってもそうだと思うんですけど、影響受けて自分(網野さん)のプレーが変わったりしたことってありますか?
網野さん:えっと、ありますね。これは日本代表でフィリピン代表チームと試合をしたときにマッチアップしている相手の選手に試合中、僕の肘が口元に入って出血したんですね。ゲームが終わった後にその選手のところに行って「ごめんね」ということを言ったら、その選手から「どうして謝るの?」っていう返事が返ってきて、「コートの中で起きることは全てバスケットボールだからそんな謝る必要無いんだよ。」っていうふうに声かけてくれました。それがすごく自分の中には影響が大きくて、日本人の感覚だと、ちょっと(プレー中)押したりとか故意じゃ無くてもぶつかってしまったりすると、「あ、悪いことしたな」「やばいな」っていう感覚っていうのは少なからず出てくると思うんだけど、彼らからするとそこで起きてるものは全てバスケットボールの一部だから、そういう思い入れだったりとか覚悟だったりとか、そもそもの次元が違うんだなっていうことはすごく感じたので、それは今でも影響受けていて、学生たちには何かコートの中で起きたことっていうのは全てがバスケットボールだから、それは全部受け入れて進みなさいっていうことは伝えるようにしてますね。
レンシ:ありがとうございます。
小谷先生:例えば、それによって網野先生のプレーへの取り組みが変わったりとかっていう…
網野さん:アグレッシブさだったりとか、その目の前の相手を倒すためだったりとか、ニュートラルボールを自分たちのボールにするための球際だったりとか、そういうものの貪欲さっていうのははかなり変わった。
小谷先生:何かそれまでは遠慮みたいなのがあった?コンタクトに対して遠慮みたいなのがあったりとかってことだよね。
網野さん:何か、紳士でいなくてはいけないみたいな感覚はあったんだけど、そこからはそこ(紳士でいること)は関係ないと、何かあった時にはレフリーがジャッジしてくれるし、だからルールの範囲内でできることは自分たちの目標のためには手段は選ばずにとは言わないけども、アグレッシブにやるべきだなっていう風にはなってますね。
小谷先生:がむしゃらだったりってことかな。なるほど。紳士じゃなくてコート上の中では野蛮であって良いっていう感じですね。一方で人間性の部分では紳士であれってことですよね。挨拶とか謝罪とか感謝だったりっていう。さあ、カズキいかがでしょう。
カズキ:大学とプロ選手になった時の大きな違いっていうのはありますか?
網野さん:まず見られてる意識っていうのは全く違いますね。プロ選手になってくると一気に注目度も上がって露出も増えてっていう…応援してくれるファンの方だったりとかスポンサーの人だったりとか、そういう人たちから常に見られてるっていう感覚にはなってきます。大学生っていうのはそういう感覚が無いのですごいコミュニティが狭い世界で生きていて、ある意味お山の大将じゃ無いけど井の中の蛙じゃ無いけど小さい世界の中で生きてるんだなっていう感覚はすごくありましたね。だから、見られることによって成長する部分もたくさんあると思うので、そこの違いが1番大きかったですかね。
カズキ:ありがとうございます。
小谷先生:何か、見られることによって普段の生活から変わっていくものなんですか?
網野さん:変わってきますね。だから、昨日までU–22の合宿やって、J A P A NのTシャツを着て移動をしていた時に、今コロナの状況で街中なんかそんなに人もいない状態だけど、信号が赤だったら絶対J A P A Nのユニフォーム着て絶対無視できないよねっていう感覚にはやっぱなる。車もいないし人もいないし別にそこを渡ったところで事故に遭う確率なんて数%もないと思うけど、やっぱダメだなって思う。
小谷先生:やっぱり、そういうところもプロになるとか日の丸を背負うっていうのはそういう意味でもその言葉っていうのは当てはまるのかなって今話聞いてて…やっぱそういう意味ではJ A P A Nを着たことがない、そこはわからないので…佐古さんとかも日の丸を背負うっていう言葉をよく使われるけど、やっぱ実態感覚としてないから…網野先生が感覚として日の丸を背負うって感覚はある?
網野さん:まあ、ありますよ。
小谷先生:あーそうなんだ。それって言葉にできる?何かこういう感覚…
網野さん:んー、難しいね。こうゆう感覚なんですよ。そうですか。ってなるかな、すごぅ難しいかもしれないけど、今回の合宿で参加してた子たちにも、そのウエア着る重みだったりとかそういうことは説明をして、多分大学生で男子で競技登録をされてるのって全国で9000人以上いるのね。で、その中の12名だよっていうことも言うし、その自分たちの下の年代を見た時には男子だけでも35万人以上の選手がいるから、そういった重みとか責任とかっていうのは感じなきゃいけないよって言うのは言いますね。
小谷先生:確かに周りにはそういった人たちがいるよって、その中の中心にいるんだよって言うことを理解しなければいけない。んー、なるほどね。このキーワードって色んな人に聞いてくって言うのも面白いかもね。日の丸を背負うとはっていう(笑)
網野さん:自分のためにはできるじゃない、人って。それがカテゴリーが上がってきたりとかプロになってきたりとか日本代表になってったりとか起きてきたときにその比重っていうのが少しずつもちろん自分のためっていうところが大きく有りながら、応援してくれる人のためだったりとか他の人のためっていうものがちょっとずつ大きくって思うのね。そういうのを感じる機会も増えると思うし、それの最たるものが僕は日本代表だと思って、自分のためだけにやるものでは収まりきれないところに入ってきているので人のためにできて超一流だというのは思っていますね。
小谷先生:なるほど。そうか。その意味ではやっぱ日本代表日の丸を背負うって重いなっていうふうに…大変な仕事をやってるね、そういう意味では。それのヘッドコーチって。
網野さん、小谷先生:ハハハ
網野さん:楽しいですよ。
小谷先生:そこのプレッシャーを楽しめるかどうかっていうところもヘッドコーチに向いてるかどうかっていうのはあるのかなって思います。じゃ、サエいかがでしょう。
サエ:はい。指導していく中で大学とか代表とかでもそうだと思うんですけど勝てない試合とかチームの調子が上がらない時とかに指導者として何か変えたり、チームが調子悪い中で意識して変えようと思うことはありますか?
網野さん:いや、もちろん声かけの仕方だったりとかそういったものとかはある程度幅を持たせながらアプローチの仕方とかは変えるかもしれないですけど、調子が悪い時こそ原点に戻ること。チームの理念があるのでそこに当てはめてその行動だったりとかプレーだったりとかっていうところがそこにちゃんとたどり着くような姿勢であるかっていうところの振り返りをしますね。
サエ:ありがとうございます。
小谷先生:原点に戻るっていう…白鴎での1番上のところにあるゴールっていうかビジョンは何になりますか?
網野さん:チームの理念は2つあるので、1つは「学内に勇気と元気を与える」っていうこと。もう1つは「バスケットボール界に興味歓喜を起こし続けるチームであること」この2つがチームの理念として僕が掲げているものですね。
小谷先生:じゃ、何か上手く行かなかった時に、そこに立ち戻る。ここに合致した行動なのか言動なのかっていうところを確認してそうでなければそこを修正していくっていう作業に入っていく。なるほど。そういう意味では女バスで掲げているのはありますか?
サエ:コート以外とか転がったボールを拾うとか礼儀とかの部分で結構意識していることは多いと思います。
小谷先生:うん。何かビジョンとして掲げているものってある?こういうチームになる!とか
サエ:感謝と礼儀ですね
小谷先生:うん。感謝と礼儀のできるチームになる。そこに立ち戻るのが1つ方法なのかなと思います。ちなみに男バスはどうですか?ジュンタ君(笑)
ジュンタ:えー。「正しく合理的に自走できるチームになる」
小谷先生:おー!よく覚えてたね(笑)
ジュンタ:ずっと考えてました(笑)
小谷先生:良かった良かった。ありがとうございます。さあ、ルイ最後にしようか。
ルイ:メンタル面の事なんですけど、自分も明成っていうことで練習の終わりだったりとかに、確実にランメニューとかで気持ちを上げたり粘り強くっていうのがメインなのでメンタルの折れない真っ直ぐな芯の通った心を作るための練習メニューがほぼ毎日あって、たとえばウインターカップの1週間前とかくらいから練習だったりとかトーナメントが5回戦あるので5往復ダッシュだったりとかで本当に久夫先生が「次1回戦だ!2回戦だ!」とか言いながらどんどん自分たちの気持ちを高めて粘り強い心を作ってくれるんですけど、大学では網野先生の白鴎とかでもそういった粘り強くなるためのメンタルトレーニングとかやっているんでしょうか?
網野さん:時期としては走り込みの時期もあります。そんなに毎日決まったメニューをやるっていうことに対してはあまりやってないですね。僕の中ではハードワークをするっていうことはすごく大事なことで一定の負荷をチーム全体にかけることによってチームメイトも絆だったりとかっていうのは高まっていくことももちろん起きると思います。「俺たちこの苦しいことやったんだから大丈夫だよ」とか「俺たちそんな辛いことを乗り越えたから仲間だよな」とかっていう想いはもちろんね出てくると思うんだけど、僕が関わっているのは大学生の世代なのである程度自主性主体性っていうところを大事にしていて、もちろんそういったベースラインに並べ走れって言ったら間違いなくうちの学生たちも走ると思うんだけど、じゃー、それがハードワークかっていったら、一見ハードワークのようでそこに本当に競争はあるの?っていうと競争があるか無いかっていうのも自分たちにしか分からない本人にしか分からないことなので実際はそこが1番大事な部分で、どんなメニューを与えてもパッと見たハードワークが本当に自分が昨日の自分に負けない、目の前にいる相手に負けないとかチームメイト仲良いけどライバルに負けないとかっていう競争があるか無いかっていうところが大事だと思うので、あんまりそういった走るっていうメニューでメンタルを作っていくっていうことはあまりしていないですね。
ルイ:ありがとうございます。
小谷先生:走るっていうところよりも競争、相手に勝つっていうところもあるし、昨日の自分に勝つっていう己に勝つっていうところの競争でのハードワークを求めていくってことですね。ありがとうございます。ということでここで本日は終わりたいと思います。網野先生お忙しところありがとうございました。
網野さん:ありがとうございました。皆さん頑張ってください!
小谷先生:今後も引き続きよろしくお願いします。応援してます。
一同:ありがとうございました。
今回、お忙しい中で私たちのために時間を割いてくださった網野先生、改めておりがとうございました。私自身、小学生の時に網野さんのプレーを見ていました。憧れていた選手とこのような機会を通してお話しできたことを光栄に思います。
正直、今回の限られた時間で何について質問するのが正しいのか迷いがありました。このゼミは13人の仲間と共に受けているので、同じような質問は避けるべきでした。さらに、今の私が1番求めていることは何だろうかと考えた時、1つの記事や、コラムを書くときに必要な文章力についてお聞きするのがベストだと思いました。一見バスケットと関係のない話題に感じるかもしれないですが、網野さんの試合の解説を聞いてみるとわかると思います。長々と話すのではなく、コンパクトに的確にわかりやすい説明をされていました。そのため、私も練習の一環とはいえ記事を書く上で見習うべき力だなと思い、質問させていただきました。
シンプル
網野さんのお話を聞いて印象的だったのが、とても考えがシンプルなものであることです。現役時代から指導者まで、常に日本のトップレベルで活躍されているからこそ、独自の考え方や、指導をされているのかと思っていました。しかし、当たり前のことを当たり前にできない人がいる中で自主性を引き出すための考え方などごく普通のことをレベルの高い環境で教えているのだなと感じました。今回の授業でたくさんの質問に答えて頂きましたが、バスケットに限らず、スポーツ以前に人格形成が重要だということが理解できたと思います。
諸事情により談話部分が読みづらくなっています。申し訳ございません。この記事を読んでくださる方々に何か響くと良いなと思います。
これからも記事をアップしていく予定です。よろしくお願い致します。