【eiiconに出資したワケ③】「現場で汗をかける貴重なプレーヤー」みずほキャピタルが評価するeiiconの強み
eiiconは2023年4月、MBOを実施すると共に資金調達も行いました。さらに、2024年4月にはシリーズA 1st クローズの資金調達を実施し、同年6月にはシリーズA 2ndクローズの資金調達を完了。日本全国へイノベーション創出手法を波及させるために、VC/CVCや個人投資家の皆様から支援をいただいています。
そこで、これまでに出資いただいた方々に【eiiconに出資したワケ】を伺うシリーズ記事を掲載。eiiconへの出資の決め手は何だったのか、eiiconの強みをどのように分析しているのか、今後eiiconにどのようなことを期待しているのか語っていただきます。
シリーズの3回目に登場していただくのは、みずほキャピタルの田中大貴氏。大企業からのカーブアウトスタートアップに期待を寄せているという同氏は、eiiconにどのような可能性を感じたのでしょうか。また、市場でのポジションをどのように分析しているのかについてもお話いただきました。
カーブアウトスタートアップに注目する理由とは
――まずは、みずほキャピタルの特徴を聞かせてください。
田中氏 : 私たちはシリーズA~BのSaaS系スタートアップへの投資が多いのが特徴です。一方で、金融系VCということもあり、フェーズを問わずオールステージで投資を行っています。領域についても幅広く対応しており、宇宙ビジネスからエンタテインメントまでオールジャンルで出資しています。年間で80件ほど投資をしているため、必然的に領域も出資フェーズも広がってきました。
――田中さんが個人的に注目している領域などはありますか?
田中氏 : 領域ではありませんが、大企業からカーブアウトしたスタートアップには注目しています。その理由は、ボードメンバーを含め人材の質が高い傾向があるからです。
また、カルチャーもしっかり根付いていて、組織としても整っているので比較的安心してお金を預けられます。カーブアウトする段階になると、一般的なスタートアップに比べてPMFする可能性も高いので、有望な投資先として期待を寄せているのです。
「eiiconのビジョンにフィットしている」代表・中村の第一印象
――eiiconに出資した経緯を聞かせてください。
田中氏 : eiiconのことを知ったのは、2023年4月にパーソルグループからカーブアウトした記事を新聞で読んだ時のことです。大企業からのカーブアウトという出自と事業内容を見て面白いと思い、eiiconのHPから問い合わせて、初めてお会いしたのが同年6月のことでした。
そのタイミングでは、すでにMBOのファイナンスも終わっていたので、次の資金調達に向けて定期的に情報交換させてもらうことにしたのです。個人的には当時から出資の意向を固めていたので、その後も中村社長が出るピッチなどを拝見して情報をアップデートしていました。そして今回、シリーズA 2ndクローズの資金調達の話があったので、本格的に出資を検討させてもらったのです。
――eiiconのどこに魅力を感じたのでしょうか。
田中氏 : オープンイノベーションの市場と言えば、大手のコンサルティング会社もプレーヤーとしている中で、そこにeiiconというスタートアップがチャレンジするのは面白いと思いました。加えてeiiconは、単にコンサルティングをするだけでなく、「AUBA」というプラットフォーム上で新しい事業を生み出していくという世界観はとても刺激的でした。
また、eiiconの中村社長はとてもビジョナリーな人物で、ボードメンバーや現場のみなさんも、優秀な方が揃っている印象でした。eiiconの事業は、現場で働くメンバーの力量が求められると思っていたので、その点はとても高評価でした。
「現場で汗をかくコンサルティング」が圧倒的な優位性に
――出資するにあたっての懸念などはありませんでしたか。
田中氏 : 「AUBA」というプラットフォーム事業がARR100億円のようなSaaSに成長できるかは、社内で議論を重ねました。当時は「AUBA」の登録企業が順調に増えていた一方、本格的なマネタイズを開始したタイミングでしたので、社内を説得する判断材料がなかったのです。
そこで私がとった選択が、eiiconのコンサルティングを受けている方にインタビューすること。私は愛知県豊橋市の出身で、市役所で働いている高校の同級生が何人かいます。eiiconが運営支援していた「東三河スタートアップ・エコシステム 共創カイギ」に豊橋市役所も関わっていると聞いていたので、現場の方を繋いでもらいインタビューしました。その時の高評価が社内の説得材料になったのです。
――どのような評価があったのか聞かせてください。
田中氏 : eiiconの現場のメンバーがしっかり汗をかいてくれる点です。eiiconのビジネスは、現場で泥臭く動いてくれるメンバーの存在が欠かせません。それがビジネスの一番の肝になりますし、eiiconのコンサルタントの方には、そのようなカルチャーが染み込んでいると市役所の方の話を聞いて感じました。
コンサルティング事業が成長していく上に、そこで得たノウハウによってプラットフォームの質も上がっていくと思ったのです。そうなれば自然と認知も広がりますし、お金を払ってでも「AUBA」を使いたいと思う企業が増えるので、マネタイズも成功すると社内を説得しました。
――競合との優位性については、どのように分析していますか。
田中氏 : 大手のコンサルティング会社と比べるとネットワークは劣ると思いますが、現場でのコミットや関係性構築では、eiiconの方が優位だと考えています。これはどちらが良い悪いではありませんが、プロジェクトの趣旨などによって使い分けられていくのだと思いました。
また、他社のプラットフォームと比べても、現場のコンサルティング力は大きな優位性になるはずです。他社は単なるマッチング機能しかないため、気軽に始められる一方で、断片的な取り組みで終わってしまい、継続されないという課題もあります。
eiiconが展開するサービスは、大手のコンサルティング企業とも他のプラットフォームとも差別化がしっかりされていて、独自のポジションを築けていると考えています。
地方のニーズをキャッチし、地域課題を共に解決していきたい
――これからeiiconと共にどんな取り組みをしていきたいか聞かせてください。
田中氏 : 私たちのもとに届くオープンイノベーションに関する相談を、一緒に支援していければと思っています。実はこれまでも多くの相談が寄せられているものの、私たちのリソースだけではさばききれなくて。それだけ、地域の企業もオープンイノベーションの必要性を感じているということです。
一方で「オープンイノベーションを何から始めていいかわからない」という声も多く上がっています。eiiconと共に、そのような悩みに寄り添い、オープンイノベーションを浸透させていきたいと思います。
――田中さん自身は、オープンイノベーションに対してどのような期待を感じていますか?
田中氏 : これからのビジネスにオープンイノベーションは欠かせないと思っています。今や単一のプロダクトで解決できる課題は、ほとんど残っていません。これから求められるのは「デジタル×リアル」の融合であり、それを実現するためにオープンイノベーションが必要不可欠です。
一方で、オープンイノベーションのノウハウが体系的に整理されていないのは大きな課題だと思っています。多くの企業がオープンイノベーションに取り組むものの、成果が出ずに頓挫してしまうケースを嫌というほど見てきました。オープンイノベーションの認知が広がってきた今だからこそ「型」を作り、しっかり浸透させていくことが重要だと思います。
――地方ビジネスに期待していることもあれば聞かせてください。
田中氏 : eiiconは東海に拠点を構えていますが、東海エリアに着目しているのはとても面白いと思います。同エリアは自動車関連の企業が多く、これからEVなど新しい産業を生み出していくために、オープンイノベーションが欠かせません。そのような地域のニーズを拾ってサービス提供しているのは、非常に興味深い戦略だと思います。
東海エリアに限らず、大阪や福岡、札幌など各地域でそれぞれの課題を感じていると思います。地域の企業をつなぎ合わせることで解決できる課題もある一方で、それを実現できずにもどかしい思いをしている人も大勢いると思います。eiiconには、そのようなニーズを拾い上げて地域課題の解決を加速してもらえることを期待しています。
――最後に、これからeiiconに期待していることをお願いします。
田中氏 : 繰り返しになりますが、これからも現場で汗をかいてもらうことを期待しています。大手のコンサルティング会社や私たちなど、大きな戦略を描くプレーヤーが多い一方で、制度設計や関係構築に長けているプレーヤーはeiicon以外に見当たりません。
そして、これから日本でオープンイノベーションが根付くためには、そのように現場で汗をかいてくれるプレーヤーが必要不可欠です。ぜひ、今の日本に足りないピースとして、オープンイノベーションの旗振り役になってもらえればと思います。
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