05/02

今日も今日とて不用品を売りに出し、僅かばかりの利益を得る。今回は楽器を売ってみた。割と良い値段が付いたので結構嬉しい。予想していた値段の3倍ほど。これは他のお店でも査定してもらう価値があるかも、と思ったが普通に行くのが面倒に思ったのでそのまま買取してもらった。ハードオフさん、うちの子たちをどうぞよろしくお願いします。売ったのはテナーサックスとクラリネット、それとトランペットのマウスピース。テナーサックスは大昔に始めようとして買ったがほとんど吹かなかったもの、クラリネットは父親の知人から譲り受けたもの、マウスピースは私が高校時代に使っていたものだ。テナーサックスは大昔すぎてなんで買ったか覚えていない。もしかしたらスウィングガールズの影響かも。クラリネットを貰った理由も定かではないが、私が色々と音楽をやっていたので、「娘が部活終わって要らなくなったんだけど要る?」と声がかかり貰った気がする。貰えるものは貰うの精神。実際クラリネットには興味があったのでしばらくは楽しく吹いていた。でも一緒に演奏する人がいなかったのですぐに飽きた。トランペットは高校時代、オーケストラ部に所属していた時に吹いていた。本体は学校のものを借り、後にマウスピースだけ買った。付属のマウスピースが気に食わないか合わないかしたんだと思う。だからマウスピースだけがある。そんなわけでそこそこ楽器がある家だった。とはいえ宝の持ち腐れ、という感じで部屋の隅に置かれ、厚くホコリが積もっていた。悲しきかな、私にとってはただの大きくて重い箱になってしまっていた。楽器のためにも買取に持ち込んで良かったと思う。素敵に吹いてもらえる人のところに届きますように。割と良い値段のお金を受け取り、ルンルンで家に帰った。次のヘアーサロンはカラーも付けちゃおっと。あ、予定ではハードオフの帰りに映画を観ようとしてたのに普通に帰ってきてしまった。もう一度同じ方面へ向かい、映画を観た。選んだのは映画『花束みたいな恋をした』。前評判から気持ちが落ちる話だとわかっていたが、あえて観たくなった。結果、心がつらくなった。映画の終盤から泣き、劇場から出た後もまだ泣いていた。最初は彼らを想う涙だったのが、途中から自分を過去を想う涙に変わった。きっと私もあの時、花束みたいな恋してたんだろうな。憂鬱になってきた。これも過去の精算。今日もなにもない一日だった。

(1000字)

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