03/04
ただひたすらに暇である。自宅療養って何して過ごせば良いんだろう。寝てばかりでもあれなので身体を起こしたり立ち上がったり、その状態でできることを探すが丁度いいのが見つからない。料理は些かハード、散歩に出るのはまだひとりでは不安。ゲームをする集中力は戻ってないし、テレビもあまり好きではない。結局ベッドに戻ってYouTubeを見ていると、うとうとして寝てしまう。いいんだけどね、今はそれが許される期間なんだけど。今の私でも何か出来ることはないだろうかと変な焦燥感に駆られてしまう。そんなわけで掃除を始めた。本当は掃除もあまり良くないんだろうなと思うが、それ以外にやることがなかった。重いものを持たない限り動作的には問題なさそうだが、それに伴ってホコリや細菌を吸い込み、白血球の数が減るのは恐らく良くない。想像の話だがそんな気がする。それでも私は掃除を始めた。少し前から物を捨てるのが楽しくてしょうがない。もはやひとつの趣味、エンタメなのである。掃除、やらざるにはいられない。今日のターゲットはスーツ類。着るものと着ないものを選別するのが億劫で、今まで買った全てのスーツとYシャツがハンガーラックに掛かっている。個人的にスーツにはあまりいい思い出が無いので避けていたが、今宵ついに対峙する時。スーツは何を残すか目星がついていたのでそれ以外は捨て、Yシャツはひとつひとつ確認したが残せるもの無く全てゴミ袋に入れた。トレンチコートとスーツ用のカバンは気に入ってるひとつを残して他は捨てた。ハンガーラックいっぱいに掛かっていたものが1/5ほどに減った。普段遣いのアウター類をそこに掛けられるようになった。そして今まで高さが調節できないものと思っていたが、もっと伸ばせることに気付いた。今まで保管場所に困っていた結婚式用のドレスが定位置を獲得した。モノの定位置を作るのが整理整頓の秘訣。他に捨てられるカバンは無いだろうかと探していると、大切に保管していたお気に入りのリュックにカビがびっしり生えているのを見つけた。これは流石に捨てちゃおうとゴミ袋に入れた。今日のところはこの辺にしてやるかとゴミ袋を部屋から運び出す。しばらく経ってから本当にあのリュックを捨てて良いのか再度自分に問い、やっぱりカビを落として綺麗にすることにした。お気に入りを長く大切に使うことこそ断捨離の真意。今日は久しぶりになにもない一日だった。
(1000字)