04/19

たけのこを貰った。そろそろたけのこを茹でたことのある人生にしたいなと思っていた。ありがたい。田舎に住んでいるので比較的貰いやすい立地ではあるが、今まで私個人として貰ったものはなかった。なので殊の外嬉しい。誰からも愛されるアイドルのような同僚から貰った。彼女は持ち前の愛嬌から貰い物をたくさん受けるようだ。中でもおじさんウケが良い。前日にもたけのこを袋で、今日もまた違う人から袋で貰っていた。笑顔で嬉しいですと言いながら貰ったはいいものの、流石にもういらないと思ったようだ。私や、他の同僚にこっそりと配っていた。私もその意志を汲み取り、こっそりと貰いこっそりと持ち帰った。どこかのブランドのおしゃれな手提げ袋に入れてくれて、それで持ち帰ったのだがなんだかシュールで面白かった。帰りの電車に乗りながらショップバッグを腕にかける。傍から見たらショッピング帰りのお姉さん。でもその中には無骨で大きなたけのこがそのまま入っている。対極の存在って感じ。何度か見てマスクの下で笑った。我が家に大きなたけのこが1本到着した。親切に米ぬかも入れてくれたのでいつでも茹でられる。茹で方を調べてみたら人によって様々で、これは適当にやってもどうにかなるやつだと察した。人によって手順や分量にばらつきがある料理は、大概の場合適当にやってもどうにかなる。茹でる前段階の切り方と茹で時間の目安だけ仕入れた。とりあえず2時間茹でることにした。その日はもう夜だったので調理は諦めて次の日に持ち越した。貰ったのが一昨日、茹でたのが昨日。昨日は母親がお休みだったので手伝ってもらうことにした。私自身に軽めの潔癖症があるので、正直たけのこにあまり触りたくなかった。生肉を触れないのと同じ。やらざるを得ない状況になったらやるが、逃げ道があるなら積極的に逃げたいという感じ。母親は私の潔癖症を「手を洗うのが面倒くさいからそう言ってるだけ」と曲解している。まじで生き辛い。だからあえてそれを言わず、母親を持ち上げるような言動で手伝いを誘発し、自然な流れで切ってもらった。想像通りのルートを辿ったので、心のなかで万歳三唱した。大きな鍋にたくさんの水と入っていた米ぬか、切ったたけのこを入れる。沸騰したら弱火で2時間。茹で上がった。そのまま放置して今日やっと調理した。土佐煮と油炒め。とても美味しく頂いた。これが竹の旬か。今日もなにもない一日だった。

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