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会話の流暢さを上げるコツは「上手に逃げること」

今日は会話の流暢さを上げるコツについて書いてみたいと思いますが、本題に入る前に、まずは「流暢さ」って何なのかということについて考えてみましょう。「流暢」とは言葉がすらすら出てきて滑らかであることを表します。英会話において「流暢」と言えば、「会話を途切れさせずに、よどみなく英語を話す」ということになります。流暢な英語が必ずしも正確な英語とは限りません。多少文法のミスなどがあっても、会話の流れが滑らかであれば、流暢さが高いということになります。

では、この流暢さを身につけるにはどうすれば良いでしょうか?もちろん「場数を踏んで練習する」ということも大事なのですが、それに加えてちょっとしたコツも必要なのです。それを今からご紹介しようと思います。

私自身もそうでしたが、英語での会話に慣れない頃は、語彙力も表現力も限られています。話していて英単語が出て来ないということが多々あるわけです。こういうことを伝えたいというのはあるのだけれど、それを表す単語や表現を知らない。そうすると会話はそこでストップします。沈黙が生じてしまいます。

こういった会話の途切れを失くすためにはどうしたらいいでしょうか?単語やイディオムをもっと覚えて語彙力・表現力をアップする?もちろんそれも大切です。でも、そうすると覚えるべき英単語は膨大にあって、あれもこれも覚えなくてはと大忙しです。なかなか会話がスムーズに運べるようになりません。

私は、実はそういう時に大切なのは「上手な逃げ方」だと思うのです。言い方を変えれば「ごまかし方」。良いように言えば「柔軟さ」。私はその事に気付いてちょっとしたコツをつかんでから、英語でのコミュニケーションが随分と楽になりました。もちろんそれで切り抜けられないこともありますが、会話の流暢さが随分と上がったのは事実です。

どういう事かというと、とにかく「自分の知っている単語を使って表現する」ことに徹するのです。ある意味当たり前のことなのですが、これが最初はなかなか出来ない。多くの場合、日本語で浮かんだことを英語に直して話そうとするので、その変換の過程で「英語が出てこない」と行き詰まります。

英会話講師をしていた時にも、そんな風に会話の途中で行き詰ってしまう生徒さんがたくさんいました。例えば、「小学生の時にピアノを習っていた」と言おうとして「小学生」ってどう言えばいいんだっけ?でも、elementary schoolという単語が出てこない。そこで会話が止まってしまう。そんな時はもうちょっと柔軟に、「要するにどういう事を伝えたいのか」と考えてみれば、抜け道が見えてきます。「小学生の時」という言葉にとらわれず、when I was a child「子供の頃」とかwhen I was little「小さかったころ」と言っても言いたい事は伝わります。こういう逃げ方や柔軟さがあると会話の流暢さは上がります。逆に、「どうしてもこの表現で」とこだわってしまうと、なかなか話せるようになりません。

英語が話せる人はこういう「上手な逃げ方」を知っています。当たり前にやっているので、「英会話のコツ」として敢えて意識していないかもしれません。でも、話すのが苦手な人はこれが苦手です。そして真面目で、自分の英語に自信がない人ほど、「『小学生』って単語が出てこなかった、私の英語はやっぱり駄目だ」と思ってしまう。そして、「自分は英語が話せない」と思う。会話のハードルをそんなに上げなくても良いのです。もっといい加減になってもいいから、とにかく知っている単語、簡単な単語で伝えればいいのです。それで流暢さは格段に上がります。そして、それが出来るようになったら、次の段階を目指して、「もっとこなれた表現を!」というところに上がっていけばいい。

自分が話す日本語のレベルと、自分が話せる英語のレベルには大きな乖離があります。頭に浮かんだ難しい日本語を英語に置き換えようとして、「英単語が出てこない」ということが往々にして起こります。難しい単語でなかったとしても、何気ない一言が表現できないことも多々あります。新しい単語を覚えたり、イディオムを覚えたりして語彙力を磨いていくことは大切ですが、自分が知っている限られた語彙を使って柔軟に表現してみるということもまた大切なのです。「あの人英語が上手だな」と思う人は、実は簡単な単語や短い文章をつなげてコミュニケーションをしているだけなのかもしれません。自分の語彙力のなさに凹む必要はありません。上手な逃げ方を身に付けて、シンプル・イングリッシュで「英語が流暢に話せる人」になってしまいましょう。

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