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タブ消し道中 #19 - talmbout aave

タブ消し道中 #19 - talmbout aave

ある日Safariを開いてみれば

タブがその数約600

そこからぽつりと歩き始めた

タブ消し道中第[19]回

talmbout aave

これはですね!!

面白いんですよ!!

どこでこれを見てなんでこれを調べたんだったかな!!

忘れたけど!!

とにかく面白いんですよ!!

教えてChatGPT! AAVE ってなに?

"Aave"は、アフリカ系アメリカ人英語(African American Vernacular English)の略称であり、African American Vernacular English(アフリカ系アメリカ人の方言英語)を指します。Aaveは、アメリカ合衆国のアフリカ系アメリカ人コミュニティで使用される非標準的な英語の一形態です。
Aaveは、アフリカ系アメリカ人の言語的文化的背景、歴史的文脈、および社会的な影響を反映しており、その独自の文法や発音、語彙、表現方法が特徴です。Aaveは、奴隷制度時代からのアフリカ人の言語の影響や、南部アメリカ英語、カリブ海諸国の英語方言、および他の言語的要素から発展しました。
Aaveは、アフリカ系アメリカ人のコミュニティ内で共有される言語として広く使用されており、音楽、文学、映画、テレビ番組などのポップカルチャーにも影響を与えています。Aaveは、アフリカ系アメリカ人のアイデンティティと文化の一部として認識されており、社会言語学や言語人類学の研究対象ともなっています。

教えてChatGPT! talmbout ってなに?

"talmbout"は、African American Vernacular English(アフリカ系アメリカ人の方言英語)において使用される表現の一つです。"tamlbout"は、"What about"(何について)の短縮形であり、話し言葉や非公式な文脈でよく使われます。
例えば、以下のような文脈で使用されます:
- "What you talmbout?"(何について話しているの?)
- "Talmbout that movie we saw last night?"(昨夜見た映画について話しているんだけど?)
- "I heard she got a new job, but I don't know what she talmbout."(彼女が新しい仕事に就いたと聞いたけど、具体的に何について話しているのかわからないよ)
"talmbout"は、Aaveにおける特定の文法的な形式であり、アフリカ系アメリカ人のコミュニティ内で広く理解されていますが、標準的な英語や公式な文書で使用されることは少ないです。

つまり、

"talking about" をアフリカ系アメリカ人の人が話すときにこんなふうに聞こえるよね!ってやつです。

"tombout" "taumbout" のように書かれたりもします。

面白いですねえ〜



ええ わかってますとも

全然共感いただけていないことは。

じゃあここで本当に面白いことを言いましょう。

"Hell You Talmbout" という楽曲があります。
(この先はぜひ聴きながら読んでください)

ここでの "Talmbout" について話したいのです。

先ほどの説明を踏まえると
つまり "Hell You Talmbout" は
"What the hell are you talking about?"
という意味です。

でも、なぜこのように表記されているのでしょうか?

"talking about" が入っているその他の曲を見てみましょう。

"I'm Talking About You" - Chuck Berry
"Talkin' Bout" - Juicy J
"Talking 'bout a Revolution" - Tracy Chapman

これらは全てAAVEを話す
アフリカ系アメリカ人の楽曲ですが
talkingの "g" や
aboutの "a" を省略する形はありつつも
talmbout とはしていないですね。

一方で確かに Talmbout と書いてある曲もあります。
"Talm' Bout" - Chris Brown
"Talm Bout" - 9lokkNine
"HELL YOU TALMBOUT" - Travis Porter Ft. Waka Flocka Flame

この違いは一体なんなのでしょう?
なぜ、ジャネール・モネ(Janelle Monae)は "Hell You Talmbout" をこのように表記したのでしょうか?

そこには明確な意図がありました。
そしてそれはこの曲のメッセージや彼女のアーティストとしての姿勢を知ると自ずと理解できます。

「HELL YOU TALMBOUT」は、公民権運動や黒人の人権運動などの歴史的な抗議に触発された曲であり、社会的メッセージを強く伝える曲として知られています。この曲は、人種平等と社会正義のために闘うアーティストとしてのジャネール・モネのスタンスを示す重要な作品の一つとなっています。
この曲は、黒人が直面する暴力や人種差別、警察の不正行為などの社会問題に対する怒りや抗議を表現しています。曲の歌詞では、アフリカ系アメリカ人の被害者や名前が挙げられ、彼らが暴力の犠牲になったことが強調されています。

citation: ChatGPT

この曲は抗議、主張、心からの叫びであり
だからこそ人種に関わらず人の心を打ったのでしょう。

言葉が映すもの - アイデンティティ

ある特定の世代や、コミュニティに属する人たちのアイデンティティを映し出すもの。それは言葉です。

AAVEはアフリカ系アメリカ人というコミュニティに属する人たちのものです。
この歌やメッセージは彼らのものであるということを "talmbout" は示す。

talking about と言う言葉は彼らだけのものではありません。
talkingの "g" を省略したり
aboutの "a" を省略してもそれは彼らだけのものではありません。
("Ain’t Talkin’ ’bout Love - Van Halen)

一方で talmbout は彼らだけの言葉。

また、AAVEも含め、私たちの言葉は時代を経るにつれてその形を変えています。
若い世代は無意識に常に自分達のアイデンティティを作り出そうと、新しい言葉や新しい表現を求める。
"talmbout" はそういった一面も映し出しています。

言葉が映すもの - アートとエゴ

マーケティングを考える人ならこう言うかもしれません。
「曲を人気にするためには、なるべく多くの人が共感されるものの方が良い。そのためにはなるべく馴染みのある、一般的な形で表記するべきだ。」

ジャネール・モネはそうしませんでした。

talking about を talmbout としたのは
それは見え方を変えれば、隔絶、線を引いたり、溝を作り出す行為のようにも取れます。

個人的には、ジャネール・モネがその線を引いて、円でアフリカ系アメリカ人という自分のコミュニティを囲んだのは、その円の中の人たちだけにこの曲を届けようとしたわけではなく、円で囲む事で円の外にいる人の目がそこに向くように願ったのではないかと思います。

ただ、やはりこの行為を好く取らない人もいるでしょう。

言葉は誰もが誰かから学び、人に伝えるために使うものです。
そのため忘れがちではあるのですが
自分の発した言葉は自分だけのものです。
彼女がそれでもこうするというエゴや意志、選択がここに表れています。
そしてそれがアーティストの特権なのでしょう。

言葉は人の目を惹く

この曲のタイトルを見た人の多くは、このある種 "ひっかかり" を感じるでしょう。
「何この言葉?」
「こんな曲の名前見たことないな。」

エンターテインメントが飽和したこの時代において、このような "ひっかかり" は何かを発信する人間として常に意識しているもの。

そのために、アーティストは常に新しい見たことのない、でも人が共感できる何かを探しています。
それが1つの言葉の表記となることもあるのですね。

たった1つの言葉の表記に、アイデンティティと、想いと、主張と、エゴと、アートと、戦略と、これだけのものが込められている。

僕は言葉の持つその力に感銘を受け、「ことばとはなんて面白いんだ!」と思わず声を上げてしまうのです。

以上、ご覧になっていただきありがとうございました。
また次回。

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