発音記号は IPA 一択!
この記事は、2025/1/13にSpotify、Apple Podcast、StandFMで配信した内容を読みやすく編集したものです。
みなさん、IPAという言葉をきいたことありますか。
これは発音記号の一種です。
世の中にはいろんな種類の発音記号があります。
ひらがなやカタカナを組み合わせて表したり、色で表すものもあります。
私はレッスンでは IPAの発音記号を使っています。
今日は、発音記号そして IPA を使うとなぜいいのか、ということについてお話しします。
発音記号を使うメリット
今日はまず、発音記号を使うメリットを2つ紹介します。
1. 目で見て違いがわかる
発音の練習は特定の「音」を再現できるようになることなので、聞いて覚えるというのも大切です。
音そのものを聞いて、そのまま再現できるようになれば、それほどいいことはありません。
しかし、そこまで聞き分ける力があれば、発音の練習は苦労しないと思うんです。
慣れていない音が聞き分けられないから、相手の言っていることが聞き取れないし、自分でもその発音ができない。
発音記号があると、「この音とこの音は別の音」、とか「同じ音」、というのが一目瞭然です。記号が違いますからね。
例えば、pen と pin。音で聴くととても似ています (pin の i は日本語の「イ」より少し「エ」に近い音なので、カタカナの「ピン」と「ペン」の中間くらいの音です)。
しかし発音記号だと / pɛn / と / pɪn / になるので異なる音だということが見ただけでわかり、異なる音として練習できます。
2. モチベーションになる
英語の音の種類っていくつあると思いますか。
これは数え方によって異なるので、「いくつ」という数は言えないんですが、たとえば子音と母音合わせて 40 あるとしますよね。
で、これをひとつずつ練習していくとします。
すると、「この音とこの音は練習したからあと何個だ」というように、進捗がわかりますよね。
終わりが見えると、モチベーションも持ち続けられると思います。
これが、目にする単語を片っ端から聞く、繰り返す、だけの練習だと、自分が全体のうちのどれだけをマスターしたのかがわからず、いつまで勉強を続けなければいけないのか途方に暮れませんか。
全体像を把握すると、系統立てて学べるのでモチベーションになると思います。
IPA について
IPA とは
IPAは「International Phonetic Alphabet(国際音声記号)」の略です。1886年に設立された国際音声学会(International Phonetic Association)によって開発された、世界中の言語の音声を正確に表記するための記号体系です。
International (国際)と謳っているだけあって、いろんな言語の発音記号として使われています。
ちなみに日本語もIPAで表せます。もちろん、日本語には日本語にしかない音もありますので、日本語でしか使わない記号が用意されています。
IPAを使うメリット
世界中でもっとも多く使われている、つまり、IPAを使った本、Webサイト、教材、辞書なども多いということです。
世の中には独自の発音記号を使った教材も多く、独自の発音記号で教える講師の方もたくさんおられます。
最初にお話ししたように、カタカナやひらがなを組み合わせる方法 (b はカタカナで、v はひらがなで表記するなど) があったり、色を分けて表すものもあります。
どれも一見わかりやすいのですが、その教材やその先生でしか使われていないことでもあります。
一方、IPA は IPA さえ覚えておけば、いろんな教材が理解できるので、これは大きなメリットだと思います。
IPA は難しくない
一見むずかしそうな IPA ですが、大丈夫、すぐ慣れます。
音を聞きながら眺めていると自然と音と記号が頭の中でつながってきます。
私のレッスンでは IPA を使います。
まず発音記号のひとつひとつを練習して、その後でリンキングやリダクションといった音の変化も練習していきます。
アメリカ英語の発音を系統立てて学びたい方はぜひ体験レッスンを受けてみてください。