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【スマブラで理解する英語表現】「走る」だけじゃない!あなたの知らない'run'の意味

みなさんこんばんは。今回はスマブラ競技シーンでよく耳にする、 'run' を使った英語表現を紹介していきます。一見簡単そうな英単語 'run' ですが、実はその意味は「走る」だけではないんです!この記事を読めば、スマブラの英語表現を覚えられるだけでなく、'run' の隠された概念も理解できちゃうかも⁉︎


意味① - 「走る」 (物理)

まずはよく知られている「走る」という意味の表現から。ここでは実際に体を動す、物理的な走りに限定して紹介します(比喩的表現は次項)。

☆ 'running' - 「走行」

スマブラ用語としては 'running' は「走行」を意味します。これだけ聞くとそのままですが、'dashing' との混同に注意しましょう。

「ダッシュ」= 'dashing'
「ステップ」= 'initial dash'
「走行」= 'running'

※日本語の用語の定義はスマブラSPECIAL検証wiki様を参照しています。

☆ 'run up' - 「近づく」「走り寄る」

厳密な「走行」以外の状況でも、相手に近づいて何かの行動をする時に(例えばワンステップで相手に近づいて技を振った時など) 'run up and 〇〇' といった表現をします。これはスマブラの表現というより一般表現ですね。

動画0:24~
Marss:  'Just run up and up smash. It just straight-up works.'
「近づいて上スマするだけ。マジで当たるから。」

意味② - 「走る」(比喩表現)

ここでは比喩的な「走り」を意味する表現を紹介します。

☆ 'run' - (トーナメントなどでの)「活躍」「勝ち進み」

日本語でもトーナメントの敗者側を勝ち進むことを「ルーザーズラン」や「裏を走る」と言ったりしますね。英語では 'run' という名詞だけでその大会での活躍を意味します。ただ「走る」と表現するだけあって、ある程度勝ち進んでいないと表現として違和感があるかもしれません。

'What an insane losers run!'
「なんてヤバいルーザーズランなんだ!」
'He made quite a run today.'
「彼は今日大活躍を見せた。」

☆ 'run into' - 「ばったり会う」「(大会などで)当たる」

「走ってたら偶然誰かにぶつかってしまった」といったイメージの表現です。

日常会話では道端で偶然誰かに会った時などによく使われます。スマブラではオフライン大会などで知り合いにばったり会った時や、大会で当たった時に使えます(オンラインでも可)。「ばったり」感が強い表現なので、予想外な相手に当たった時によく使われる印象です。

'He ran into Kazuya and got cheesed.'
「あいつはカズヤに当たって壊されたよ。」
'I just ran into ESAM on Elite Smash!'
「さっきESAMとVIPマッチで当たったんだ!」

スマブラでは比喩表現ではなく「技に(地上から)当たりに行く」という意味でも 'run into' を使うことがあります。

'I ran into forward smash and died at 50.'
「横スマに当たりに行って50パーで死んじゃった。」

☆ 'runner-up' - 「準優勝」

準優勝者のことを 'second place' のほかに 'runner-up' と表現することがあります。語源はドッグレースで、1位の犬にぴったりくっついて走っていた2位の犬を指していたようです。

'Sparg0 won the last Kagaribi. Acola was the runner-up.'
「前回の篝火はSpoarg0が優勝したよ。あcolaは準優勝だった。」

意味③ - 「やる」「実行する」

「プログラムを実行する」などといった場合にも 'run'  を使うことができます。日本語で言う「使い走る」も「やらせる」という意味では似ているでしょうか。

☆ 'run 〇〇' - (ルールなどを)「採用して実行する」

昨今の競技シーンではキャラ選択が先かステージ選択が先か、という議論が活発ですが、ルールを決めてそれを実行する時に 'run' が使えます。キャラ先orステージ先の議論以外にも、フリー対戦をローテーションでするか勝ち残りでするか決めるときにも使えたりします。

'We should always run character-first, why would anyone think otherwise?'
「常にキャラ先ルールを採用すべきだよ。なんでそう思わない人がいるんだ?」

☆ 'run it back' - 「もう一度」

以前こちらの記事でも紹介した表現ですが、もう一度紹介します。

欧米の大会でよく見る指クルクルのジェスチャー。これは 'run it back' を表しており、スマブラでは同じステージでやろう、という意味になります。スマブラ以外だと、クラブなどでDJがもう一度同じ曲をかけるときに 'run it back' と言ったりします。

'Let's run it back.'
「もう一回同じところでやろう。」
'Sure.'
「いいよ。」

☆ 'runback' - 「再戦」

上記の 'run back' が名詞になった形です。格闘ゲーム用語で、「もう一度同じ相手と対戦する」「再戦」を意味します。

'Acola lost to MuteAce in winners but got the runback in losers.'
「あcolaは勝者側でMuteAceに負けたが、敗者側でリベンジに成功した。」

意味④ - 「運営する」

団体やイベントをオーガナイズするときにも 'run' が使われます。

☆ 'run 〇〇' - 「〇〇を運営する」

スマブラ界隈だと、大会などのイベントやesportsチームなどを運営する時によく使われます。注意してほしいのは、 '〇〇 + be動詞 + run' と言った形で受動態になる場合があることです。'run' の活用は不規則なので、受動態はそのまま 'run' です。

'I've been running an esports team for about 2 years.'
「ここ二年間ほどesportsチームを運営している。」
'The event was run perfectly, except the scheduling could've been done a little better.'
「スケジュールに少し改善点があったこと以外は、そのイベントは完璧に運営された。」

まとめの概念 - 「規則性」&「継続性」

ここまで、いろいろな 'run' の意味を紹介してきました。紹介した表現のなかに「走る」の意味と全然違うじゃん!と思ったものがあったかもしれません。しかしながら、ネイティブスピーカーはこれらの意味に何らかの共通する概念を見出して同じ単語 'run' を使っているはずです。

ここからは個人の見解なのですが、'run' は「何かが規則的かつ継続して存在する」という抽象的な概念にまとめられるのではないでしょうか。例えば物理的に走る行為は、手足を規則的に動かし続けることで前に進む運動です。また、プログラムを実行すると、決められた命令(規則)に従って処理がなされていきます。「運営する」も同様に、リーダーなどの指示がメンバーの行き渡って実行されていくこと、と捉えることができるかと思います。


いかがでしたか?今回はスマブラ競技シーンでよく使われる表現のみを紹介しましたが、これは数多くある 'run' の意味のごく一部です 。'run' に限らず、基礎的で簡単な英単語ほどいろんな意味があって翻訳が難しいです。一つ一つ日本語訳を覚えていくのではなく、一つの概念として「英語を英語のまま理解する」ことができるようになると、どんどん身についていくと思います。今回の記事が何かの参考になれば幸いです!

それでは次回の記事をお楽しみに!

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