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【留学日記】王の末裔タピワくんの話#1

こんにちは!

新しい人の輪の中に入るといろんな人と
つながって接して生きていきますよね。

人生の中で人は、一体どれくらいの人と関わりを持つのか?
少し調べた限り諸説ありましたが、

◯何らかの接点を持つ人が30,000人
◯学校、仕事などを通じて近い関係になるのが3,000人
◯親しい会話ができる関係が300人

というのが有名な話みたいです。

『出会いが人を変え、成長を促す』という一つの真理を
より数値化すると
「この『300人あるいは30,000人にどういう人が入るか』
が人生の豊かさを左右する」
いうのは一理あるのではないかな、と思います。

ということで、みなさんの人生に少しでも彩りを加えるお手伝いをできればと思い、今日も筆を取りました。

自分と大きく考えや行動が異なる
『衝撃的な人』を今日も勝手にご紹介させていただきます。

■衝撃的な出会い


今日の衝撃的な人は、
『こんなに純粋な人がいるんだ!』
と感心させてくれた人です。

彼の名前はタピワくん

私がある程度英語や外国人とのコミュニケーションにもなれてきていた頃に出会った人です。

それまでにいろんな人とも出会ってきたので、
ちょっとやそっとでは驚かなくなっていたのですが、
彼には面食らうことばかり。

たった一年ぐらいの付き合いでしたが今でも強烈に記憶に残っています。

彼と私の馴れ初めは学生寮の説明会でおなじテーブルに座ったことからでした。

彼のほうから気さくに話しかけてくれ、『日本のアニメが大好きだから日本のことをこんどゆっくりと話そう』というタッチの出会いでした。

■サッカーに行ったときのこと


より深い仲になったのはサッカーをしたときでした。

2m近い彼の体つきにかねがね目をつけていた私は、ある草サッカーの機会に彼を誘ってみました。

彼は二つ返事で行くことを承諾し、
「おれはサッカーは見るけど自分の国でプレーしたことがない。でも、結構うまいと思うぜ!」と自信満満にグラウンドに乗り込んでいきました。

草サッカーの舞台は、広大な芝生の公園の中にゴールが豪快に立てられているだけの場所。足元もかなり悪くスリッピーなグラウンドでした。

着くなり、
「イェー!!」と叫び、履いていた靴を放り投げるように脱いで裸足なりました。

タピワくんいわく
「おれは人工的な道路以外では靴を履いたことがないし、これからも履かない」
というポリシーを持っているとのことでしたが、石も転がり枝も転がり、そして相手は芝生をダンプカーのように滑り込んでくる屈強なイングランドボーイたち。

(うーん、キケンな匂いがする、、、)
と思いつつも、彼の思いを尊重し

「わかった。まあ、自分で危ないと思ったらちゃんと靴を履いてね。それで、どこのポジションでプレーしたいの?」
とポジションを聞きました。

返ってきた答えは
「なんだポジションって?サッカーのポジション???」
おそらくこの人のいう『サッカーを見たことがある』というのは、『本当に見かけたことがある程度、いわゆる目撃レベルなんだな』と察しました。

仕方なく質問の形を変えてみて、
「シュートをたくさんするか、ゴールを守るかだけ教えてくれ」
と言うと、話が通じたようで、
「オーライ、オレはゴールを守るぜ!!」
と話が終わらないうちに、目を輝かせながら2m近い体を躍動させ、ゴール方向に全力ダッシュ。
ゴールポストに寄り添って、そのまま笑顔全開で親指を立ててくれました。

試合が始まると、ボールはお構いなしに敵から必死にポストを死守。
命がけでポストを守ったタピワくん。

ゴールはたくさん奪われても、ポストに触らせないように大きな声を出したり体を大きく揺らしたりして威嚇したり。

完全にサッカーというスポーツを誤解しながら楽しんでいた様子でした。

試合が終わると、とても誇らしげに近づいてきて、

「サッカーにつれてきてくれてありがとう!こんなに楽しいものだとは思わなかったぜ!」
とかなり上機嫌でした。

試合の帰りにグランドから帰ろうとすると、なぜか道路とは関係ない茂みの方に歩いていくタピワくん。

慌てて「え!そっちは道路じゃないよ」というと、
「いやいや、こっちのほうが近いよ。だって寮があそこにあるのになんで遠回りするんだ」と言って、茨の道を突っ切っていきました。

仕方なく葉や枝をかき分けついていくと、途中で「お!これはうまそう!」と言いながら生えてる木の実をパクパク。
「え?それ食べれるの?」と聞くと
「いや、初めて見る。うまそうじゃん。」
とこれまた全開のスマイル。

楽しく寮まで一緒に帰っていきました。

感じるまま、思うままに直進していってキケンを顧みず楽しむ彼の魅力が凝縮されてた一日でした。

■純粋な心を思い起こさせてくれた出会い

タピワくんとの日々は、終始こういう形でなんとも微笑ましく衝撃的な日々でした。

単純明快、複雑なことは考えず目の前のことに突っ込んでいくタピワくんの姿に、まだまだ20歳そこそこの若者ながら、私が失ってしまっていた童心を思い起こさせてくれました。

おそらく彼との出会いがなければ、かなり保守的になっていたであろう自分の海外生活。

間違いなく彼の影響で、一つ一つ自分の考えのフィルターを通すのではなく、直感のままに切り開いてアンテナを高くしながらトライしていくことで人生が楽しくなるんだな、とかんがえるようになりました。

横文字で言うと、イノセントな感覚、でしょうか。

それを持ちながら海外のいろんなものに
触れたことは、とても意味があることでしたし、
彼とのあれこれは、今でも自分を振り返るいい思い出になっています。

そんなタピワくん、
外国人そしてアフリカンということで
海外生活の中でいろんな壁にぶつかってしまうのですが、
次回はその様子をお伝えしたいと思います。

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