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海外ドラマ「ジェレミークラークソン農家になる(Jeremy Clarkson's Farm)シーズン1」レビュー①

Amazon Primeオリジナルのリアリティーショー「ジェレミークラークソン農家になる」を日本農業からの視点でレビューしてみる。イギリスのコッツウォルズ地方に広大な土地を持つジェレミーが初めて農業に取り組む。その姿から日本の農業と海外の農業スタイルや考え方の違いを浮き彫りにできればと思う。ネタバレあり。

第1話トラクター作業「農業は資本集約型って話」

農業といって私たちの頭によぎるのは「手作業」だが、イギリスの広大な土地で農作業をするのは「トラクター」である。耕すのも、肥料まき、種まき、農薬散布、そして収穫までも全てトラクター作業である。
日本の農業が「労働集約型」なのに対して海外の農業は「資本集約型」であることを思い知らされる。

第2話牧羊「農業はシナジーって話」

畑を耕す作業をトラクターでやる一方で自然農法的というか、牧羊を通じて畑の肥沃化を目指す。つまり非耕作地には政府が景観や環境保全のために補助金を出してくれ、その土地で羊に雑草を食べてもらいつつ、糞をとおして大地に栄養分を補給するという一石二鳥的な算段である。

もちろん、簡単ではない。羊の繁殖、医療費は高額で、ウールも最近ではポリエステルなどの生地の方が人気でウールの値段は作業の手間に見合わない値段である。
収益化はなかなか難しくとも、事業のシナジーを狙う考え方は大切だなと思う。

第3話直売所「販売経路は自分で切り開けって話」

農業のような第一次産業では収穫物を農協などに卸してお金を得るというイメージであろう。
だが実際には直売所や無人販売所を駆使してあらゆる販路で売り上げを伸ばす。とくに直売所では中間業者が入らないため利益率は高い傾向がある。地産地消の動きは農作物の鮮度や地域活性、農作物を運ぶという運搬コストや消費エネルギーの観点から環境にも優しいと判断される。
特に海外ではLocalという表現が商品の売りになることが多い。旅行者もどうせならLocalなもの=Localでしか手に入ら無いものとして購入していくケースがあるように思う。

もちろん問題は、商売の許可、駐車場や道路の混雑、トイレの設置など自治体からの許可を通じてもめていきます。
さらには地産地消を売り出す以上、海外製品や地域の生産物以外を売ることができないことが問題になる。

第7話手抜かり「農家は自営業って話」

直売所の営業は、自農園以外のものを置いてもよい。ここで説明されることなく前提として話題になっているのが、直売所でよそから仕入れた商品を売る行為が認められているということである。
ジェレミーの農園にある直売所でLocal範囲内のものであれば自農園以外のものを売ってもいいことがわかる。自農園で育てていなくても販売は可能だがLocalの範囲内で生産されたものだけを売らなければいけない事が問題点となっている。
例えば直売所でアボカドなどの輸入品を売ることはできないのである。
農家はまさに、直売所というお店で自農園以外から仕入れ販売するというオーナーでもあると言い換えることができる。

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