海外ドラマ「ジェレミークラークソン農家になる(Jeremy Clarkson's Farm)シーズン2」レビュー①
Amazon Primeオリジナルのリアリティーショー「ジェレミークラークソン農家になる」シーズン2を日本農業からの視点でレビューする。イギリスのコッツウォルズ地方に広大な土地を持つジェレミーが初めて農業に取り組む。その姿から日本の農業と海外の農業スタイルや考え方の違いを浮き彫りにできればと思う。ネタバレあり。
第1話存続:農家ほど政治って話
シーズン1では1年を通して稼ぎは144ポンドでした。日本円にして2万5千円くらいです。年間の純利益ですから商売として破綻している。もちろんトラックなど設備投資に大きく資金を割いているので2年目はさらなる利益拡大が望めますが、それでもこの稼ぎでは誰も農家をやろうとしませんね。農家離れは日本と同じようです。
イギリスのEU離脱をキッカケに農家への補助金が話題になる。補助金が出る作物がなんなのか?農薬の利用がどこまで認められるのか?など農家を支援すると言っても補助に適用されるために農家は翻弄される様子が見れる。
農事業の拡大は多角的にって話
自分の農場産の肉屋作物を使って、レストランを展開する話。
牛を飼い始めるジェレミー。乳牛と肉牛の違いはあるが牛を飼い出すことで、ラムやジャガイモなどの作物と合わせて農家の隣にレストランを開く算段である。生産分を卸すだけでなく、自分の農家で販売する。当然利益率は卸すより、レストラン経営の方が高くなる。
考え方は日本の大企業が自社農園を持ってファミレスを運営するのに似ている。当然シェフの採用や飲食店の認可など簡単ではないのだが・・レストランが直営店の客寄せにもなる。
第2話養牛:複数品種の栽培が価値を生み出すって話
レストランで牛ステーキを出すとなれば、それに合わせるソースも自社製にします。あらゆるものが自分の農場で作られていることが価値になるし、売り上げにもつながる。
そこで唐辛子を育て出すジェレミー。ハバネロ、ナーガ、キャロライナリーパーと3種類の唐辛子を育てる。作物は一緒でも複数の品種を育てる。
消費者は同じ作物でも品種が違うと食べ比べをしたくなる。1つでいいものを複数種類買って家で味比べしたくなるのである。品種の違いは栽培技術を磨くことにも繋がる。
栽培ー加工ー販売の6次産業って話
唐辛子は栽培して、チリチャツネに加工、ビン詰めしてレストランや直売所で販売する。農家が利益を出すために栽培(1次産業)x加工(2次産業)x販売(3次産業)=6次産業化という。もちろん販売はアプリやインターネットを使って販路を広げることを最近では意味しているが、ジェレミーは直売所やレストランでの販売につなげたわけです。