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海外ドラマ「ジェレミークラークソン農家になる(Jeremy Clarkson's Farm)シーズン2」レビュー②

Amazon Primeオリジナルのリアリティーショー「ジェレミークラークソン農家になる」シーズン2を日本農業からの視点でレビューする。イギリスのコッツウォルズ地方に広大な土地を持つジェレミーが初めて農業に取り組む。その姿から日本の農業と海外の農業スタイルや考え方の違いを浮き彫りにできればと思う。ネタバレあり。


農業・畜産倫理があるって話

農業特に畜産業では特に動物の命を扱うため、時に倫理観が問われることがある。イギリスならなおさら日本以上に動物愛護への考えは重要視されているでしょう。養鶏における倫理観とは・・・
①卵を産まない雄鶏も一緒に飼う
たとえ食肉として卸されるにしても雌鶏と雄鶏を近くに飼うことが動物の一生に置いて大切な意味を持つと考えている様子がわかる。卵から孵った後に雄鶏とわかるとすぐ処分されることもある中で、雄鶏も飼育することが倫理として求められているという。もちろんそういった倫理観を大事にした養鶏所の卵であることをブランド化することもできるでしょう。
②鶏舎の中でラジオを流す
鶏インフルエンザの流行に伴い鶏を鶏舎に隔離する際、ラジオを流すよう勧められる。ラジオがあるとストレス緩和につながり産卵も促されるということであった。ストレスを軽減し散歩など健康的な生活をすることで鶏も産卵率が上がる。畜産倫理と生産性を一緒に向上させることが大切である。

第3話説得:スポンサー事業:ブランド化の方法論

農家もスポンサーシップを通じてブランド化、販売促進ができるって話
地域住民の理解を得るために地元のサッカーチームのスポンサーになったジェレミー。これは事業のブランディング戦略の一つである。ジェレミーの農家であるだけで十分なブランディングが成功しているが、地域住民からは必ずしも好意的に受け入れられているわけではない。
スポンサーとしての出資額がどの程度かわからないが、ジェレミー効果もあって地域のサッカーの試合はいつも以上に賑わいを見せる。地域住民からはジェレミー農場への好感度が上がったはずである。

ここでは語られることはなかったが、屋台として農場の物を売ったりすることも可能で、自社や商品・サービスの認知向上や愛されるブランドとして成長させることができる。 スポンサーシップは主に「ブランドの認知向上と好意獲得」「販売促進」といった事業戦略や、マーケティング戦略の一環として取り組むことが多い。

第4話アナグマ農業・畜産は常に自然との戦いって話

いわゆる害獣対策である。野生のアナグマがもっている結核菌が畜産動物に感染した場合、鳥インフルエンザや狂牛病と同じように畜産を全て処分しなければならない。当然農家としては、非常に痛手で廃業する農家もいる。そしてこういったリスクとは隣り合わせで毎年、自然発生的に対処しなければならない。検査するだけでコストも非常にかかるため、つねに自然との戦いである農家の大変さが見て取れる。


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