狛コレ【「芸術的な狛犬」に会える!北海道の狛犬編】
こんにちは!「狛コレ」執筆担当のもろこしです。
最近、気温の変化が激しくて困りますね。
5月は半袖が必要になるくらい暑い日が続くとおもったら、6月に入って急に冷え込んでしまったので、私もまた長袖に逆戻りしてしまいました。
北海道を訪れているえーご曰く「北海道もここ数日はずっと寒く、朝晩はダウンジャケットが手放せない」とのこと。
もう6月なのにダウンジャケット!やはり北海道の寒さはスケールが違いますね。
そんなえーごですが、北海道を散策中に珍しいものを発見したようです。
それが、この看板。
この絵柄、何かの形に似ていませんか?
なんだか、何かがニョキッと生えているような…
そう!まるでカブトムシの角のように見えますよね。
Googleマップで見てみると、この道はちょうどカブトムシの角のような分かれ方をしているんです。
道の形をそのまま標識にしただけなのに、なんだかとってもユニークですよね。
神社スタンプラリー【北海道の神社編】
さて、北海道には、文化庁の調査で判明しているだけでも799社もの神社があります。
実際に訪れてみると、ひとつひとつの神社の個性がハッキリと伝わってくるのが面白いところです。
というわけでまずは、北海道にどんな神社があるのかをご紹介いたします。
2885番 今、黒猫がアツい!札幌市 清田稲荷神社
清田稲荷神社は清田区の中ではもっとも新しい神社で、平成になってから創祀されました。
商売繁盛や病気平癒などのさまざまなご利益が得られる他、人形供養やペットの健康祈願なども行っています。
他の多くの神社と違い、崖の斜面に張り付くような形で建っており、急勾配になっている立地が特徴です。
そんな清田稲荷神社は「黒猫」がアツい!
黒猫のおみくじ、絵馬、お守り、御朱印帳etc…
いたるところに黒猫の姿があります。
「え、稲荷神社なのに黒猫?」と驚いたことでしょう。
実はこの清田稲荷神社には、本物の黒猫が住んでいるのです。
海外では不吉の象徴とされている黒猫ですが、日本では逆に「幸福の象徴」だと信じられている地域も少なくありません。
神社で可愛がられている黒猫が、きっと何かご利益を授けてくれるはず…
そんな思いから、黒猫グッズが生まれたのかもしれませんね。
2886 冠を被った龍がお出迎え。札幌市 厚別神社
厚別神社は、厚別区ではなく清田区にある神社の一つです。
読みも「あつべつ」ではなく「あしりべつ」と読みます。
清田区役所の前の高台に建っており、静かな落ち着いた雰囲気が特徴です。
そんな厚別神社の手水舎には、いかめしい龍の姿をした吹き出し口があります。
冠を模した葉を被っており、まるで王様のような風格がありますね。
「龍」という漢字はもともと「冠を被った蛇」を模したものだったので、この龍もそれを意識して冠を被っているのかもしれません。
2882番 戸山流居合道発祥の地!北広島市 居合道神社
北海道北広島市にある居合道神社は「戸山流居合道」の発祥の地です。
戸山流居合道は、大正から昭和初期にかけて陸軍戸山学校で制定された軍刀操法から生まれた居合道の流派です。
現在でも全国大会が開催されるなど、後世に脈々と受け継がれている流派の一つです。
神社に掲げられた看板からは、いかめしい雰囲気が伝わってきます。
周辺を散策すると「戸山流居合道発祥之碑」と彫られた石碑があります。
朝日を浴びて静かに輝く石碑は、どこかおごそかな空気を漂わせていました。
2872番 ドラゴンボールの神龍?恵庭市 出雲大社三神教会
北海道恵庭市にある出雲大社三神教会は、出雲大社教(いずもおおやしろきょう)の教会の一つです。
出雲大社教は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を主神とした九柱を祀る宗教組織で、全国各地に分祠があります。
出雲大社三神教会の手水舎には、2つの黄金の玉を手にした龍が鎮座しています。
…あれ?龍と黄金の玉の組み合わせ…どこかで見たような…
そう、ちょうどあの独特のイントロと「つっかっもうぜ♪ドラゴンボール♪」という歌詞が聴こえてきそうな…
この龍、「さあ願いをいえ、どんな願いもひとつだけかなえてやろう…」とか言いそうですね。
狛犬ランキング【北海道の狛犬編】
さて、北海道のユニークな神社たちをご紹介したところで、いよいよ「狛犬ランキング」に移っていきたいと思います!
北海道の神社には、どんな狛犬がいるのでしょうか?
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【5位】2854番 苫小牧市 苫小牧総鎮守 樽前山神社
5位は、苫小牧市の苫小牧総鎮守 樽前山神社の狛犬です。
樽前山神社は明治初年、樽前山周辺の原野を開拓するにあたって樽前山の神である「大山津見神」を祀るために創祀されました。
その後、明治8年に明治天皇の勅命により「久々能智神」「鹿屋野比売神」の2神も合祀され、3神を祀る神社となりました。
令和7年には創祀から150年になるという、非常に歴史のある神社です。
そんな樽前山神社の狛犬は、とても勇ましい顔立ちをしています。
白っぽい石に彫られた狛犬の姿は、全体的に丸みがありながらもがっしりとした体格です。
ぴんと胸を張った姿勢が、溢れんばかりの力強さを示していますね。
また、樽前山神社には苫小牧稲荷神社も併設されており、そこには狛犬のようにいかめしい顔立ちをした狐の像が建っています。
稲荷神社の前に建つ狐の像は、御祭神である稲荷神の使いとして、参詣者と稲荷神の間を取り持つ役目を担っています。
一般的な狐の像は、宝蔵のカギや願いを叶える宝珠を口にくわえていることが多いのですが、苫小牧稲荷神社の狐がくわえているのは巻物のように見えます。
書いてあるのはお宝のありかでしょうか?想像が膨らんで面白いですね。
また、樽前山神社の狛犬はもう1対、境内前の天満宮にも鎮座しています。
さきほどご紹介した狛犬と比べると毛並みのディテールが細かく、ふさふさとした触り心地がしそうです。
なんとなく、沖縄のシーサーのような雰囲気も感じられますね。
赤い前掛けが印象的です。
狛犬が赤い前掛けをしていることは珍しく、全国的にもあまり数がありません。
反対に、狐の像は赤い前掛けをしていることが多いです。
赤い前掛けは、一説には「子供を守ってもらうために、子供の装身具である前掛けをさせる」という意味があるようです。
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【4位】2858番 苫小牧市 錦町出雲神社
4位は、同じく苫小牧市にある錦町出雲神社の狛犬です。
木製の大きな鳥居は、明治天皇13年祭を記念して設立されたものだそうです。
かつては聖徳太子記念碑、太平山三吉大神の高碑があったのですが、現在は樽前山神社の境内にある聖徳神社に移されました。
そんな出雲神社の狛犬は、非常にユニークな顔立ちをしています。
ペシャンコに潰れたような顔は、何かに顔をぶつけたのかな?と思ってしまうような、なんとも言えない表情。
全体的にカクカクした形をしており、マインクラフトに出てきそうな雰囲気があります。
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…と言いたいところですが、今月は最初の月なので、無料公開とさせていただきます!
今月の記事が面白かったら、ぜひ来月から購読していただければと思いますm(_ _)m
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【3位】2867番 千歳市 釜加神社
3位は千歳市にある釜加神社の狛犬です。
釜加神社は千歳神社の末社(ある神社の敷地内に建てられた小規模な神社)です。
釜加神社はもともと弁財天を祀る「弁財天小社」であり、漁の時期になると弁財天小社から千歳神社に御神体が移され、漁が終わると戻される…という風習がありました。
その風習がなくなった頃に釜加神社が建てられ、弁財天の御神体が釜加神社に納められたのです。
そんな釜加神社の狛犬は、一言で言うと「ブサカワ」!
とってもユニークな表情をしており、一度見たら忘れられない衝撃があります。
このドヤ顔。
なんだか、煽られているような気すらしてきます…
「狛犬ぞ?我、狛犬ぞ?」
という声が聴こえてきそうな、この表情。
でも、どこか愛嬌がある表情をしていることも確か。
カッコいい狛犬、可愛い狛犬とはまた違った魅力がありますね。
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【2位】2875番 恵庭市 島松神社
2位は恵庭市にある島松神社の狛犬です。
島松神社は豊受大神(とようけのおおかみ)を祀る神社で、崇敬者数は1,700人にも上ります。
えーごも「北広島に来たら絶対に参詣したい神社」と太鼓判を押した神社です。
今年は御鎮座から130年のアニバーサリーイヤー。
その事業の一環で、参道には「千本花鳥居」がずらっと並んでいます。
規則正しくならんだ花の植木鉢と鳥居が参道を彩っており、普段以上に華やかな道のりとなっています。
紅白のコントラストが美しい鳥居をくぐり抜けると、待っているのはこれまた紅白のコントラストが印象的な狛犬。
耳や目元、口元に紅が差してある白い狛犬は、化粧を施したような華やかさがあります。
島松神社には他にも狛犬がおり、敷地内には合計3対の狛犬が鎮座しています。
バージョン違いの狛犬がいくつも拝めるため、狛犬マニアにはたまらない神社です。
さきほど紹介した1対以外の狛犬も、これまたとってもユニーク。
さきほどの狛犬はとってもオシャレさんでしたが、こちらの狛犬は素朴な印象。
荒削りな彫り方や、どことなくモアイ像を彷彿とさせる無の表情が印象的です。
対して、こちらの狛犬は「ザ・狛犬」とでも言うべき精巧な作りをしています。
顔立ちも勇ましく、今にも飛びかかってきそうな迫力があります。
くるくると巻かれた毛並みや、炎のようにゆらめく尻尾など、細かいところまでしっかりと作り込まれた狛犬たちです。
さて、4位から順にご紹介してきました、北海道の狛犬ランキング。
栄えある1位はどの狛犬の手(前足?)に渡るのでしょうか…?
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【1位】2906番 札幌市 菜洗神社
北海道の狛犬ランキング、栄光の第1位は札幌市にある菜洗神社の狛犬です。
札幌市豊平区に鎮座する菜洗神社は、もとは千葉県市川市にある神社でした。
それを八紘学園の園長が引き取り、昭和15年に移設したのがこの菜洗神社です。
この菜洗神社の狛犬は「芸術的な狛犬」として、日本全国に根強いファンがいることで知られています。
その狛犬人気はすさまじく、狛犬を見るためだけに参詣者が訪れることもあるほど。
菜洗神社を訪れ、実際に狛犬の姿を見たえーごも、その精巧な作りに感嘆していました。
特筆すべきは彫刻の細かさ。
細かいところまで丁寧に彫刻された狛犬は立体感に溢れ、まるで命が宿っているかのような迫力が感じられます。
通常の狛犬に比べると、菜洗神社の狛犬たちは全体的に横に長く、太い印象を受けます。
吽形の足元には子供の狛犬がいます。
通常の狛犬の場合、子供の狛犬は前足の下にいることが多いのですが、菜洗神社の狛犬は前足に巻き付いていることがわかります。
ほかの狛犬には見られない複雑な表現が施されているのも、菜洗神社の狛犬の魅力です。
丁寧に彫られた毛並みは、風になびいているかのような躍動感があります。
阿形が前足で持っている格子状の玉の中には、なんともう1つ玉が入っています。
格子状の模様が美しく彫られていることもさることながら、中に玉が入っていることで奥行きのある表現がされており、他の狛犬とは一線を画した重厚感が演出されています。
菜洗神社の狛犬たちは筋肉質な体をしており、隆起した筋肉が力強さを表現しています。
以上、栄えある第1位は「芸術的な狛犬」として有名な菜洗神社の狛犬でした。
おわりに
今回は、北海道にあるユニークな神社と狛犬たちをご紹介いたしました。
本州から訪れるのは距離的に難しい北海道ですが、こんなに個性豊かな神社や狛犬があるのなら、訪れてみる価値はあると思いませんか?
一風変わった旅行がしてみたい!とお考えの場合は、ぜひ今回ご紹介した狛犬たちに会いに北海道を訪れてみてください。