「有田屋千三郎」第1話(全23話)
*5月2日より毎日1シーン更新します。(23話予定)
脚本:あの田中(原案:桂三四郎)
イントロダクション
大向こうとは。
歌舞伎では劇の雰囲気を盛り上げるために、大向うから声が掛かる。歌舞伎の中には、俳優が大向うの掛け声を巧く利用した演出がいつしか定着し、その掛け声がないと進行できないような舞踊もある。(Wikipediaより)
所謂、「成田屋!」や「中村屋!」などの歌舞伎役者に屋号で呼び掛ける声のことである。
シーン1 制作会社
制作会社の扉が開き、
全く売れてない映像ディレクター岩田(35)が満面の笑みで入ってくる。
会社にいた後輩の熊谷(30)に話しかける。
岩田
「ちょっといい?なんかもう嬉しくって」
熊谷
「なんです?」
岩田
「今実は電白堂から電話が来てさ。スーパー大企業のC Mの依頼が来たんだよ。しかも出演は超大物役者らしい。」
突然、大手広告代理店から、
誰もが知る大企業の有名タレント出演CMの監督の依頼がきたらしい。
熊谷
「そんなことあります?」
岩田
「あったんだよ!」
熊谷
「だって、電白堂と仕事なんかしたことないじゃないですか」
岩田
「見つけてくれたってことかなあ」
熊谷
「わかった!誰かと間違えられたんだ!」
岩田
「ちょっと冷静になろうよ。そんなアホな奴が電白堂にいるわけないでしょ」
熊谷
「だっておかしいじゃないですか」
岩田
「おかしくない!見てる人は見てるってこと!さあ、頑張るぞ!打ち合わせでちゃんと期待に応えなきゃいけないよね。それに今まで頑張ってきた過去の自分たちに報いなきゃ!」
熊谷
「そんなに頑張ってましたっけ、、、(ボソ)」
岩田
「何?君も企画考える?」
熊谷
「いえ、僕は今回は勉強させてもらいます!」
シーン1B オーディション1
スター役のオーディションに臨む売れない俳優有田屋千三郎(35)
*観客にはオーディション風景ではないと思わせる。
有田屋
「いいから俺のいう通りにやれよ!必要なのは俺の人気なんだろ?」
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タイトル:有田屋千三郎
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第2話へ続く
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