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2024年に触れた芸術を振り返ってみる

2025年になって、今更2024年のことを振り返る。去年の年末にやっておけという話で、正直遅すぎるのというのは十分承知ですが、言葉にして、文章にして残しておかないといけないと思い、残しておきます。

2024年も、たくさんの芸術に触れるように意識して、積極的に取り込んできました。自分の中にちゃんとインプットできたのか怪しい部分も大いにありますが、それでも触れないよりは触れた方がいい。きっとなにかの肥やしになっていると信じて。

さて、下記が2024年に鑑賞した作品です。

映画や海外ドラマ:  87本
舞台鑑賞やLIVE: 5本
読書:      10冊

こうして数字で見ると少ないようにも見えますが、それでも多くの時間をインプットに費やしました。

上記のリストの中でのベストを一言感想と共に上げてみたいと思います。
*映画は公開が2024年以外のものもあります。

【映画】

コンパートメントNo.6

ロードムービーはやっぱり好き。映画ではっきり描かれるわけではないけど、その当時の時代背景が見え、ストーリーに反映されている。手持ちでの撮影手法もいい。言葉の壁からの伏線回収がラストおしゃれ。


哀れなるものたち POOR THINGS

この監督の設定、世界観はなぜか常軌を逸しているのに、見てる観客を映画の世界に没頭させる。なんともすごいこと。それはきっと、演技、撮影、演出、美術、音楽など、全てにおいてその世界が細かく設定されているからリアルにそして世界に浸ることができる。エマストーンが、受賞するのも納得。物語はベラの冒険を通して世界を知る。見てる観客も世界の条理を知っていく。


コット、はじまりの夏

4:3か1:1での画角がまたなんともいい。コットの世界にどっぷりとはまることができた。ロケ地もいい。低予算だと思うけど、物語、演出、撮影、演者でそこは全てカバーされている。コットの夏休み、その限られた時間というのが切なさを増している。観客も別れがくることを知っているだけに、離れないでと思ってしまう。親戚のおじさんおばさんの家の所々に、幼い息子が亡くなった、失ってしまった痕跡が残っている。台詞で説明するわけではなく、映像で見せてくれる。それが、じわじわきて、だから最後がグッとくる。素敵な映画でした。


ソフト/クワイエット

胸糞が悪い映画2024年の中ではダントツ1位でした。
ただ映画として見応えのある1本でした。歴史を知ってみるとさらに深い。
そして、ワンカットで見せる90分間。こりゃたまげました。何より、演者さんと撮影がめちゃくちゃ大変だったろうな。どれだけリハーサルを重ねたんだろう。

DUNE 砂の惑星 Part2

圧倒的な映画体験。前作よりさらにエンターテイメント色が強い。見応えはめちゃくちゃありました。面白かったな。というかハンズジマーおじさんの音楽が心臓を打ちつけてくる感じ。本当に映像とマッチして見ててむちゃくちゃ興奮しました。キャストが豪華。



異人たち

すばらしかっった! 演出、撮影、音楽、キャスト、どれをとっても一級品でした。最後には涙が溢れていました。私自身、原作を知らなかったというのもよかった。ジェイミーベルがよかった。なんかもう1度観たい作品です。今、1番好きな監督です。


キリング・オブ・ケネス・チェンバレン

これぞ映画。映画ってなんだろうということを最近はよく考えてしまう。時間を描くことという点において映画を感じることが1つだけど、この作品も制限のある時間をうまく描いている。実際に起きたことを映画にしているのだけど、そのリアルに起きた時間をそのまま映画の尺と同じくらいにしている。目や耳を覆いたくなるような演出描写で、演技も素晴らしかった。何より音の使い方が秀逸でした。



The Son 息子

予想はしたけど、誰もが望んだものではない結末に。
なぜ。
社会的問題を扱いつつ、家族が息子との向き合い方を問う。自分にもし子供がいたらきっと同じ行動をとったかもしれない。
涙が止まらなかった。


関心領域

評判通りの映画でした。批評で見たけど、『見る前から感想が決まってる映画。』確かにと思った。そう思わせる映画設定、演出、作りがあってなので、すごい。音響や撮影もさることながら、編集もよかった。ラストでの現在描写を盛り込んでくるのがいい。一度は、この地を訪れてこの目で歴史に触れてみたいと思った。


素晴らしい。社会性もテーマも軸もしっかり描きつつもエンターテイメントに落とし込んだ傑作。これを同じアジアの韓国が作るのだから、脱帽です。脚本が秀逸すぎる。美術、キャスト、撮影、音楽と本当に見ていて飽きさせず、ハラハラドキドキだった。テーマが真っ直ぐにあり、それに対して、脚本が練られて、撮影があり、キャストの演技があり、邪魔をしていない。全てのシーンに意味がある。映画館で鑑賞したかった。


イベリン彼が生きた証

ドキュメンタリー映画で実際の出来事なのだけど、それをうまく構成し、演出したこのドキュメンタリー映画は、今まで観たドキュメンタリー映画で1番でした。こんなことが実際に起きていたと思うと驚くばかりだけど、人間の可能性や生きる希望をもらえた。もうとにかくめちゃくちゃ泣いた。ティッシュ箱は必須です!


ホールオーバーズ

脚本と演者の演技が抜群に良かった。特に脚本は勉強になる。情報の小出しにしていくタイミングがなんともうまい。ちゃんちキャラクターそれぞれの背景があり、それが物語が進むにつれ、展開とともにうまく説明的でなく、見ている観客に伝わるのだ。映像も年代に合わせて、フィルムが粗い。映像以上に脚本、骨格がしっかりしているからこそ最後まで見れたのだと思う。脚本はやはり大事!


ドリームシナリオ

実際の事件に着想を得たらしいのだけど、それをうまく脚本に落とし込み、脚色している。キャスティングから、他演出まで、風刺的要素もありながら、面白く描いた作品で、エンディングも嫌いじゃない。映画館でクスッと笑ってるのは私だけでした。ニコラスケイジのはまり役だった。フィルムがまたいい味を出していた。


舞台】
モダンスイマーズ『雨とベンツと国道と私』

池袋の芸術劇場の舞台をうまく演出して、自然に見せてくれるところ、そして脚本も、そのセリフひとつひとつに意味を感じたというか、そのセリフやキャラクターの行動の伏線をしっかり回収するところや、あとは役者さんの演技もよかった。好きだな〜。泣いた、結構泣いた。舞台で久しぶりに泣いた。もう涙無しでは見られなかった。すばらしい110分をありがとうございました。


【LIVE】
映画音楽フルオーケストラコンサート
心に沁みました。三階席からだったから、遠目にだったけど、それでも沁みたな〜。もっと音響を耳に、胸に心臓に響いて欲しかったような気もするけど。ニューシネマパラダイス、フォレスト・ガンプ、この2曲を聴いた時は涙が出た。そしてアベンジャーズには心踊りました。


以上になります。
本当に胸を打たれる作品ばかりでした。是非、騙されたと思ってどれか1つでもいいので未見の方は見てほしい。

そして、2025年に最初に映画館で見る映画は決めています。

私の脚本の先生であり、尊敬する監督さんです。初の長編映画として劇場公開されます。もうめちゃくちゃ楽しみです。もちろん東京だけでなく全国の劇場でも公開されます。

下記ストーリーです。

喪失を乗り越えた先に光る、絆と癒しの涙—
北の小さな町の漁師である善次(升毅)は、喧嘩別れをしてから一度も会っていない息子の光雄(和田聰宏)をがんで亡くす。東京で執り行われた葬儀にも出席せず四十九日を迎えようとしていたところに、光雄の妻の透子(田中美里)が娘の美晴(日髙麻鈴)と凛(宮本凜音)を連れて、善次の元を訪ねてくる。
善次は、突然の訪問に戸惑い、うまく接することができないが、彼女たちを通して亡き息子に想いを馳せる。透子は、聴覚過敏を持つ自閉症の美晴を守るのに必死だ。「もう自分しかいない」という決意は、夫である光雄が亡くなってから更に強まっている。美晴は、守られてきた世界から一歩でも外に踏み出したいと願うものの、失敗したり不安を感じると、布団を被り夢の中に逃げ込む。そこは、父の光雄が生前病床で書いた『美晴に傘を』という絵本の世界であった。

大事なことほど言葉にできない善次。
自分にかけるべき言葉を見失っている透子。
世の中の音を言葉にしていく美晴。
やがて、小さな町の人々との交流も手伝い、善次、透子、美晴は、自分自身の内なる声に耳を傾け始める。

一人でもたくさんの人の心に届いてほしい作品。絶対に劇場に足を運んでいただいて損はしないはずです。

めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、是非とも2025年も映画や舞台、そしてLIVEと多くの芸術に触れて見て、聞いて体験したいと思います!

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