暴走機関車
『暴走機関車』
原作、黒沢明
監督、アンドレイ・コンチャロフスキー
出演、ジョン・ボイド、エリック・ロバーツ
日本公開1986年、111分。
これは、なんといっても、あのラストシーンが秀逸!
ジョン・ボイドの演技、凄い!
今回、再見してみて気付いたけど、ラストショットはジョン・ボイドの横からの顔のアップだった。
あの、暴走機関車の屋根に乗った、ロングショットばかりが音楽と共に印象づけられてたけど。 あのまま、ロングショットでいって終わってるとばかり。
この映画を製作したキャノンフィルムズという会社、検索してみたら。。!!
1967年に二人の人によって設立された(この二人については判らない)が、後に深刻な財政難に陥ったこの会社を、1979年に二人のイスラエル人が買収した。この二人のイスラエル人映画製作者がなかなか興味深かった。
『ブレイクダンス』の様なミュージカルコメディ映画、『スペースバンパイア』の様なSFファンタジー映画、『コブラ』の様なアクションアドベンチャー映画、そうして『暴走機関車』の様な文芸?映画、等々、遥か変化に富んだ作品群を量産していた、そうだ。
しかし、1986年にキャノンがピークを迎えた後は、『オーバーザトップ』などの大作がたて続けに失敗し経営難に陥り、パテに買収され、1994年にキャノンは倒産した。
黒沢明についてのサイトがあった。
https://star-director.info/entry192.html
ここに、『なぜ暴走機関車は頓挫したのか?』という項目がある。
要するに、映画の作り方の違いってぇことでしょうか?
これの撮影延期から中止が、『トラ、トラ、トラ』の挫折につながってるらしい。
55歳から70歳までの15年間に、黒沢明が作れた映画は『どですかでん』(1970)と『デルスウザーラ』(1975)の二本だけだった。
そうそう。
脱獄、雪原、二人。とくれば、なんだか『網走番外地』(1965年)が連想されます。