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三協映画

三協映画会社は、梶原一騎(1936.9.4〜1987.1.21)が映画をつくるために設立した会社である。 梶原一騎、40歳。

1974年に、松竹が『愛と誠』(梶原一騎原作ですね)を西城秀樹主演で映画化した。(相手役の早乙女愛は一般公募された)これがけっこうあたってしまった!(1974年7月13日公開。配給収入九億円)・監督、山根成之(『同棲時代』の)。

同1974年に、早くもテレビ東京(当時は東京12チャンネル)がテレビドラマ化、この時オーディションで、愛役に当時まだ15歳だった池上季実子を採用。1974年10月から1975年3月まで。
この時、梶原プロダクションが設立されている。

『続・愛と誠』が1975年3月公開。これは、一作めの大ヒットをうけて、再び同じ監督で松竹がつくった。公開は1975年になってしまったが、これでも早めた様だ。さすがに西城秀樹の年末年始のスケジュールがおさえられなかったが(それで主演役の男優の方を一般公募した)、当時はまだ鹿児島県内の高校生だった早乙女愛の冬休みを使っての撮影だったから。

そして、『愛と誠 完結編』が1976年9月に公開された。この時は三協映画会社になっている。この映画のスタッフ欄に、企画として川野泰彦の名前がある。
1976年に、三協映画は、他に格闘技映画もつくっているが、その時系列の詳細は良く判っていない。

この『愛と誠』という映画についてだけでも、『完結編』までの三作以外にも角川がつくったものがあって(確か2012年)、ひとつの記事が書けてしまうくらいなのだけれども、ここでは深入りしない。

とにかく、梶原一騎原作の、この『愛と誠』の映画が、その後の梶原一騎のひとつのターニングポイントとなったことは間違いない、と思われる。

もうひとつ、私が注目するのは、三協映画が1977年につくった『悲愁物語』。
脚本、大和屋竺
監督、鈴木清順、ですよ。 !!

鈴木清順が日活を解雇されてからをょうど10年めだ。 これで復活だったかぁ。しかし、10年間、どないしとったんやろか? ?

この『悲愁物語』は梶原一騎原作なのだが、 他、『愛のなぎさ』'76.『雨のめぐりあい』'77.『もどり川』'83. と、なぁんでこれが?(三協映画で?)と思えるようなものがあるけれど、製作者をみると、まぁうなづけないわけでもない。 

その製作者、梶原一騎以外の二人、合わせて三人の三協力だそうで、大山倍達は自分と実弟の真樹日佐夫だと思っていたそうだ。
しかり。三協映画は、『地上最強のカラテ』や『格闘技世界一・四角いジャングル』などの格闘技もの、ドキュメンタリーも製作している。

他の二人のうちの一人、藤岡豊はアニメ製作の東京ムービーの社長で、『巨人の星』や『あしたのジョー』のテレビアニメ絡みだと思われるが、もう一人、川野泰彦はよく判らない。 テレビ東京が『愛と誠』をテレビドラマ化した時のプロデューサーだったそうだが、もともとは日活出身らしい。日活から石原プロに移っている。この川野が『愛と誠』のテレビドラマ化のプロデューサーにどうしてなったのだろう?
この三人が集まった経緯についても?

それから、『愛のなぎさ』という映画も?良くワカランな
allcinemaというサイトで見た情報によれば。
『愛のなぎさ』、1976年4月公開。
監督は聞いたことなかった名前だし、製作者は、梶原一騎と川野泰彦ともう一人、増田久雄という名前がある。藤岡豊じゃないのだ。

とにかく。
梶原一騎は、(スポ根もの)劇画原作者だけの仕事に飽きていたようだ。

 劇画原作を書いているだけでは知り合えない様な女優たち(松阪慶子竹下景子池上季実子・・)と会えたし、『愛と誠』や『地上最強のカラテ』がヒットしてしまい?、あたった時の利益の凄さを知ってしまった。 が、そこまでだった。

『雨のめぐり逢い』『悲愁物語』『マッハ78』『リトル・チャンピオン』、すべて不発だった。

梶原一騎は、漫画原作で得たお金を使い果たしていく・・・ (お金だけでなかった。大山倍達や講談社の編集者や、彼らとの軋轢も生まれていった。) 梶原一騎は、さらに格闘技興行の世界にも手を出していく。………

梶原一騎、享年51歳。

三協映画会社は短命に終わった。

梶原一騎は、小池一夫を意識していたらしいが、小池一夫が実際に映画事業に乗り出すのは1992年になってから。『子連れ狼・その小さき手に』の原作と製作。

以下、三協映画製作の映画を記載しておく。

1976.
『愛と誠・完結編』。
『愛のなぎさ』。プロデューサー・川野泰彦。
『地上最強のカラテ』、『・パート2』

1977. 『雨のめぐり逢い』。脚本・菊島隆三、主演・竹下景子。
『悲愁物語』。製作・藤岡豊、脚本・大和屋竺、監督・鈴木清順、。なぁんか、幻の一作だな。女性プロゴルファーの話らしいが。?
『世紀の真剣勝負。史上最強の空手・総集編』

1978.『マッハ78』
『カラテ大戦争』。主演・真樹日佐夫、白氷氷。『格闘技世界一・四角いジャングル』

1980.『あしたのジョー』 

1981.『リトル・チャンピオン』

'1982.『巨人の星』

1983.『もどり川』     
 原作・連城三紀彦、製作・川野泰彦、脚本・荒井晴彦、監督・神代辰巳、主演・萩原健一。

その後の三作映画&三協映画製作映画については不詳。





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