往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ①」(大浦奈都子)
山口さん、お返事ありがとうございました。
山口さんが初日に来てくれるたびに「なぜ?」と思っていたのですが、「どうせ見るなら初動のカウントに貢献したい」という理由、なんて素敵なのでしょう!「日曜なら空いているってわかっているはずなのにな」なんてお節介なことを考えていた自分が恥ずかしい!
コロナ禍の1席空けシステムは正直快適でしたよね。多くの方がそう感じていたはずです。けれどやっぱり映画館で働いていると、2人組のお客さんに隣同士で座ってもらえない景色は寂しかったです。特にお子さんは不安だったろうなぁ。
1席空けが解除され、満席の客席を見た時は込み上げるものがありました。コロナがまだまだ心配な時期でしたから不安も大きかったのですが、映画館が熱を帯びて、イキイキとした息吹を感じると、「映画館ってこうじゃなくっちゃ」と力をもらえたのです。
さてさて新しいお題「映画館とトイレ」!
思わぬ角度からのお題です。うーん、何を書こうかしら?
まず「映画館とトイレ」と聞いて思い浮かんだのは刈谷日劇さん。
場内に入り「さてトイレに行こう」と思ったら、劇場内のスクリーン前に存在していたのは驚きでした!なぜここに!?楽しい!
上映中に行ったことはないけれど、一度劇場を出なくて良いのは案外良いのかも。ちょっとドキドキしそうですけどね。
あと名演小劇場さんは1階から3階までトイレがたくさんあって、トイレ近い問題を抱えるわたしには安心できて好きでした。3階で映画を観るときは、どの階で行くかいつも考えていたなぁ(笑)
それに比べてスコーレの女性用お手洗いは受付の真後ろ、あの狭い通路を通ってもらわなきゃいけないので、毎度申し訳ない気持ちです。
なぜだか不思議なのですけれど、ミリオン座さんとセンチュリーシネマさんでは、トイレで知り合いに遭遇しがち。手洗いながら「あら〜!」みたいな。
そういえばわたしって、映画館で働いているから映画好きな知り合いが多いんですよね。顔見知りのお客さんに会って「何観たんですか?」みたいな流れになるけれど、映画が始まるギリギリ前にトイレに行くこの性分(「映画館でのわたしの流儀」読んでください)。思いがけず長話になってしまい、開始時間を気にしつつソワソワ話して慌ててスクリーンに向かう、みたいな。これ、わかる方いるかなぁ。
トイレ近い問題を抱えているわたしですが、努力の甲斐あってか映画の途中で行くことはあまりありません。過去何回か行った映画はしっかり覚えています。
初めてはお腹ゆるゆる状態で観た吉田恵輔監督の『銀の匙』@ミッドランドスクエアシネマ。2回目は膀胱炎(治りかけ)だったけどどうしても観たかった『東京クルド』@名古屋シネマテーク。3回目はなぜか我慢できなくなってしまった大好きな『フェイブルマンズ』@ユナイテッド・シネマ岡崎。これはもう、周りに人がいないかを確認しつつホワイエを全力ダッシュ!
『東京クルド』の時はもう覚悟していましたから、最後列の端っこの席を確保して、そーーっと行くことができました。出口が2つあるのは良いですよね。
書くことあるかな?なんて思っていましたが、しっかり長くなりました!
次回はスコーレのトイレが大洪水になった顔面蒼白事件などなど「映画館とトイレ(お仕事編)」を書こうと思います。
山口さんがどんな角度から映画館とトイレ論を語るのか、とても楽しみにしています!
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