eigakan_hanashi

#好きな映画を語るように好きな映画館を語る/ 大浦奈都子(シネマスコーレ)と山口雅(映画ライター)の往復書簡/ 日常会話のひとつに、「好きな映画は?」(困る)があるように、「好きな映画館は?」も加えてみてはいかがでしょうか。 毎週月曜日 なるべく18時更新

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#好きな映画を語るように好きな映画館を語る/ 大浦奈都子(シネマスコーレ)と山口雅(映画ライター)の往復書簡/ 日常会話のひとつに、「好きな映画は?」(困る)があるように、「好きな映画館は?」も加えてみてはいかがでしょうか。 毎週月曜日 なるべく18時更新

最近の記事

往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とチケット②」(山口雅)

チケットのお話、ありがとうございました。 並べられたチケットたちの写真、かわいいですね! 文字印刷だけの機械的なチケットは味気ないと思っていましたが、こうして並ぶとそれぞれに個性があり、案外かわいいなと思いました。 しかし! 私は「チケット捨てる派」です。 何年か前に、もうこれからは全部捨てようと決め、どんどん捨ててます。 以前は「チケット捨てられない派」でした。 数年前までは服のポケットから半券がざくざく出てくる状態でした。映画をよく見る人にありがちかもしれません。上着

    • 往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とチケット①」(大浦奈都子)

      山口さん、「映画館と匂い」ありがとうございました。 とってもやる気が出るお手紙でした。 「匂いのトランスフォーマー」!笑 まさに満席になったシネマスコーレでよく起こりますね。特に手に汗握るような2時間を体験したお客さんから出る熱気は場内の温度もグッと上げるようで、「ウゲー!」と思いつつ、それを嗅ぎに行ってしまう山口さんの意見もよくわかります。近年清潔であることに慣れすぎて、さらに敏感になっていたのかなぁ。もう少し頭 を柔らかくして、映画館というものを楽しまなければと思います

      • 往復書簡・映画館の話をしよう「映画館と匂い③」(山口雅)

        「映画館と匂い」3回目です。大浦さん、ありがとうございます。 「隣の人の香水で映画に集中できない」のは、まさに大浦さんの状況だったのですね・・・! ちっとも知りませんでした。 ポップコーンの香りと塩気で頭痛が起きるだなんて、鈍感な私にはちょっと信じられない話です。嗅覚が鋭いのも大変なんですね。 匂いに悩まされたことがない私が言うのもなんですが、匂いが最も巨大なパワーを発する時というのは、各自の匂いが「混ざり合った時」じゃないかと思うのです。香水、飲食物、体臭など、さまざまな

        • 往復書簡・映画館の話をしよう「映画館と匂い②」(大浦奈都子)

          山口さん、「人力4DX」のお話、ありがとうございました。 懐かしいなぁ。あれね、レモンの香りをシュッシュッと振りかけていたんですよ。それ以外にもまぁたくさんのことをしたものですから、お客さん咽せていましたよね。コロナ前のシネマスコーレを象徴するような、恐ろしい企画だったなぁ。 そうそう、話の順番が前後しますが、「映画が小さい!」という感覚もよくわかります。後方の扉から入ると、大きい劇場に発光する小さな四角が浮いている、みたいな光景が広がりますよね。スクリーンと観客の距離に

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館と匂い①」(山口雅)

          大浦さん、お返事ありがとうございました。 トイレから上映中の場内へ戻ってきた時の、「映画が大きい!」とびっくりする感覚は分かる気がします。そして逆に「映画が小さい!」と驚く瞬間もないですか?  前方から再入場してきた時と、後ろの方から入った時の、単なるスクリーンとの距離の違いかもしれないんですが、それまで一心に埋没していたはずの巨大なスクリーンが四角に切り取られ、ちんまり世界が収まってる事実に戸惑うことがあります。 いずれにせよ現実にいったん触れてしまうと、再び映画に慣れるま

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館と匂い①」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ③」(大浦奈都子)

          山口さんの「映画館とトイレ」論、とてもおもしろかったです。 そもそもなぜ、私たちはこんなにも映画中のトイレを恐れているのか?という話題。中断はなるべくしたくないけれど、わたしも寝てばかりだし、他の人が席を立っても嫌な気持ちになんてならないのに・・・ 山口さんのおっしゃる「白々しい外の世界に、唐突に引きずり出されること」に激しく納得しています。席を立ち、暗闇から明るい外の世界へ出た時のあの、現実に戻ってしまった感。まるで別世界!空気の質の違いを感じます。 そして外界(トイ

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ③」(大浦奈都子)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ②」(山口雅)

          「映画館とトイレ」は、案外切っても切れない話題ですね。大浦さん、ありがとうございました! 刈谷日劇、あるいは新橋文化劇場の「スクリーン横にトイレ」は、私も初めて見た時はびっくりしました。上映中に行くのは多少勇気が要るものの、絶対に迷うことがなくて便利ですね。ミニシアターなど出入口が後方にある劇場はこっそり出られますが、シネコンは出入口が前にあるパターンが多いし、むしろスクリーンの真横というのはキッパリした潔さがあって良いです。 各映画館、トイレの場所や数もさまざま。私も「

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ②」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ①」(大浦奈都子)

          山口さん、お返事ありがとうございました。 山口さんが初日に来てくれるたびに「なぜ?」と思っていたのですが、「どうせ見るなら初動のカウントに貢献したい」という理由、なんて素敵なのでしょう!「日曜なら空いているってわかっているはずなのにな」なんてお節介なことを考えていた自分が恥ずかしい! コロナ禍の1席空けシステムは正直快適でしたよね。多くの方がそう感じていたはずです。けれどやっぱり映画館で働いていると、2人組のお客さんに隣同士で座ってもらえない景色は寂しかったです。特にお子

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館とトイレ①」(大浦奈都子)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀③」(山口雅)

          大浦さん、お返事ありがとうございます。 しかし、私はショックを受けましたよ。なぜなら大浦さんが「CMは見ていない」とキッパリ断言されたからです。え、そうなの!?  これまでずっと当然のように誰もが上映前のCMも楽しんでいると思い込んでいました。先日ナゴヤキネマ・ノイに映画を見に行ったんですが、永吉支配人が私の顔を見るなり「CM、普通見ないでしょ!」と笑顔で仰いました。衝撃です。 気を取り直して、大浦さんの流儀のお話。楽しく拝見しました。 「ヒットしなかった映画」がみるみる回

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀③」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀②」(大浦奈都子)

          山口さん、「映画館でのわたしの流儀」とても楽しく拝読しました! まさかあんなに真剣に、予告編でもないCMを観ている人がいるなんて全く思っておらず爆笑しながら読みました。「続きはWEBで」で本当にWEBまで観るなんて・・・!京本政樹の必見シリーズ、確かに観なくなったなぁ、そう考えるとまた観たい欲がふつふつと湧いてきます。 わたしの場合はCM、ほとんど見ないのが流儀です。 ほら、肩こり酷いじゃないですか(「好きな席はどこですか?」回読んでください)。それに尿意も心配だから座っ

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀②」(大浦奈都子)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀①」(山口雅)

          大浦さん、お手紙ありがとうございました。「映画館で寝る」、このテーマは、思ったよりずいぶん語りがいがありましたね。 大浦さんの「映画館で寝る時も夢を見る」という話で、思い出したことが。 そういえば私、まるまる一本の映画を夢の中で見たことがあるんですよ。 ザッパーンと波が岩に砕ける画で始まり、奇想天外に転がるストーリーにわくわくしながら鑑賞し、最後に「完」って出たところで目が覚めました。 自宅で就寝中に見た夢ですが、目が覚めて心地よい充実感がありました。あれは何だったんだろう

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館でのわたしの流儀①」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること③」(大浦奈都子)

          山口さん、お返事ありがとうございました。 そんな!お客さんが寝ていて怒ったり呆れたりするわけないじゃないですか!映画といつ何時も真剣に向き合え!なんてスパルタ映画館ではありませんのでどうぞご安心ください。笑 それにしても、今回たくさんコメントをいただけて嬉しいですね。映画館での睡眠体験はこんなにも人を饒舌にするのか!と意外で愉快でした。きっと皆さん、少しの罪悪感を抱えて映画館でスヤスヤしているのでしょう。 最初のお題「なぜ映画館が好きか」でも話題になりましたが、やはり映画

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること③」(大浦奈都子)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること②」(山口雅)

          「映画館で寝ること」、大浦さんのご意見にものすごく安心しました! そしていろんな方がコメント等で「寝る」話を披露されていて、驚きました。なんだ、みんな寝てるんじゃん! 実は私も、映画館で常習的に「寝てしまう」んです・・・。 ここ一年くらいの間、かなりの高確率で寝ます。グーグー寝るわけではなく、短時間だけウトウトではあるんですが、大浦さんの言う「ああ、今日は寝ないでいられるかな」は、毎回上映前に私が思うことです。 しかし、声を大にして人に言えることではない。ましてや劇場スタ

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること②」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること①」(大浦奈都子)

          山口さん、「子ども時代の映画館」のお話、ありがとうございました。 『震える舌』わたしも怖くて未だに観られないんです!シネマスコーレの支配人・坪井さんのトラウマ映画でもあるらしく・・・あれだけたくさんの映画を観てきた人から、唯一見返せない映画として何度もその話を聞きました。話を聞くだけで怖い。なかなか観る勇気が湧きません。 映画の予告編って本当、ぼーっとしていたら突然襲いかかってきたりするから要注意ですよね。たまーにスコーレにも小さなお客さんが来て「この予告、大丈夫か・・・

          往復書簡・映画館の話をしよう「映画館で寝ること①」(大浦奈都子)

          往復書簡・映画館の話をしよう「子ども時代の映画館③」(山口雅)

          大浦さんの初めての映画館体験のお話、拝読しました! 4歳で観た映画タイトルがちゃんと言えるんですね。すごいなあ。 映画の内容そのものより、赤かった風景やトモちゃんと会ったことの方を覚えているのは、分かる気がします。子どもの頃の記憶は「旅行先で食べたアイスしか覚えてない」みたいなことが多いですよね。 私にも「旅先のアイス」のような映画館の思い出がひとつあります。嬉しかったから覚えているわけじゃなく、ただただ強烈だったのですが。 前にも少し書きましたが、うちの父親はごくたまに

          往復書簡・映画館の話をしよう「子ども時代の映画館③」(山口雅)

          往復書簡・映画館の話をしよう「子ども時代の映画館②」(大浦奈都子)

          山口さん、子ども時代の映画館のお話、楽しく拝読しました! 映画館の原体験は映画館ではなく外!良い話だなぁ。 暑い夏の日、ぎゅうぎゅうに座った子どもたちがゲラゲラ笑っている姿を想像するだけでワクワクします。今でこそ、映画館はきっちりと整えられた空間で快適に観る場所になったけれど、昔はもっと大らか、というか大雑把な魅力もあったように思います。 祖母の話や映画館の本で、たくさんの人がひしめき合っている熱のこもった空間だったというエピソードをたくさん聞いて、一度でいいから経験してみ

          往復書簡・映画館の話をしよう「子ども時代の映画館②」(大浦奈都子)