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おやじキャンプ飯と日高屋と四十九日

知人なんて言えない。
もちろん、だから友人でもない。
twitter(旧X)で、
あ、間違えた。
バツ、じゃねーや、Xか。
紛らわしいな、いつまで経っても。
で? なんだっけ?
あ、X(旧twitter)か?
そのXでさ。X上でだけ、
ほんの、ほんのたまにやり取りしてる人。
今日、いいね!をいただいてやり取りした。
昨年さ、その方のパートナーさんのね、
お父様のお加減がよろしくなかったの。
今日ね。お亡くなりになってることを知り、
しかも今日が四十九日だったことを知った。

日高屋行ったんだよ。
『おやじキャンプ飯4(大分編・第5話)』を見たからシュウマイ食いたくなって、ところが日高屋ってシュウマイ無いのね。「え?シュウマイねーのかよ?(泣)」ってなってさ。仕方ねーからホッピーセット注文して餃子注文して、焼きあがるまで、なんだかおつまみ三品盛みたいなのでチマチマおっさん飲みしてさ。

腹ん中じゃ、「界隈の店の、陳さんだったか、金さんだったかの中華食堂行けばシュウマイあったよな」なんて後悔しても後の祭りだったんだけどさ。「シュウマイ注文してグリーピース三粒残して、その写真撮ってインスタにあげちゃおっかな~♪ ウフフ でも、勿論残した三粒はスタッフが美味しくいただきましたとか、くそ下らねえ注釈入れてやろうかな? ウフフ」みてーにアホなこと考えてたんだけどダメだったんだよね。(なんのこっちゃ)

ま、注文したホッピーセットだけど、当然にホッピーの中(なか)をお代わりするじゃん。知らない人のために解説すると、ホッピーの中ってのは、ホッピー(ノンアルコール)で割る焼酎のことだ。そんなもん、ただ「焼酎ちょうだい」でいいのにさ。ホッピーってのはだから、ホッピー単体ではアルコール飲料として成立しない、そもそもがホッピーセットありきの『ホッピー』なんだな。

俺は普段から、北極のシロクマを凍死させるくらい寒いおやじギャグをカマすから、ホッピーの中(なか)を注文する時は、もれなく「中(なか)里依紗」と言う。大抵はシカトか苦笑いだ。それでもいいんだ。いや、むしろそれがいいんだ。とか自嘲気味にニヤニヤして、大して美味くもない炭酸アルコール飲料を舐めるわけだ。(←もはや末期的)

ホッピーの中(なか)を三杯お代わりしたら、平和島だからなのか(多分)外国の、東南アジアか中華圏の女性店員さんが三杯目の中(なか)を持ってきてくれた時に、なぜだか「多めに入れときました(^^)/」ってね。嬉しいんだけど、日高屋のホッピーセットの中(なか)って、もろに介護施設の歯磨きコップみたいな白くてプラスチックで、丸い持ち手のチープな、しかも中身より氷(アイス)の方が多いじゃねえかよっつーシロモノで萎えるんだけどさ(-_-;)

ちなみにホッピーの外(そと)ってのも、実はめんどくさいけど存在してて、中出し外出しじゃねえけど、外(そと)ってのはホッピーそれ自体のことだ。例の茶色い瓶入りノンアルコール飲料。だったら「ただのホッピー」でいいじゃねえかよ?とホッピーの瓶が投げつけられる危険性・大のアレだ。

だから俺はホッピーの外を注文する時も、ホッピーの瓶が飛来しないように小声で「ホッピーの外。・・・マヌエル・ソト」などと南極のシロクマも凍死するダジャレをカマして注文する。むしろそっちに瓶が飛んでくることは日常茶飯事だけどな。『大江戸佐半次ホピもの帳』みたいな時代劇ドラマが一本できるくらいカマしてる日々だ。(それはない)

ちっとも多めか少なめかわかんねーけど、心意気なのか、ただただマシーンの不具合でドバっと多めに出ちまったのか知らんけど、ホッピーセット三杯目を、若干多めの中(なか)で飲ませてもらった俺だったが仕方ねえ。餃子食って三品盛でホッピー飲んで、しみったれた終末の週末を、おやじキャンプ飯に乗じてSNSにでも上げさせてもらったわ。

で、だ。
いいね!もらって。
お父様、お亡くなりで。
今日、四十九日で、だった。

友人でも、知人とすら言えない、
X上の、きっと雲の上の人。
の、パートナーさんのお父様の死。

なんかそのタイミング。
お父様の生前の心憎いお気遣い。
イカすんだよ(涙)。

いや、正確には猫(にゃんこ)への気遣いだから
イカじゃなくてネコなんだけどさ。
俺も猫飼ってたから泣けて泣けてよ。
でも確か、ネコってイカ食ったらダメとか、
あれ?タコだったっけな?とかさ。
そんな思いが駆け巡っちゃって、
ワンデーコンタクトが外れちゃった夜だったんだ。

四十九日。(シジュークニチ)
7×7日だよ。
大林監督じゃねーけど、なななのか、だわ。

人が死ぬ。
愛する人が死ぬ。
7×7日。
四十九日が経つ。
その時、あんたはどうだい??ってね。

一般に四十九日でさ。
四十九日法要ってんで納骨になる。
先祖代々の墓なら、墓下の納骨堂に入る。
意外と広いそのスペース。
でも湿って暗い。当然ね。
スナック菓子みたいに軽い骨。
…と、なった故人の亡骸。
骨壺に収められたソレ。
…を、密室に閉じ込める。

「それって、どうなんだろうな」

色んな想いがある。
そもそも骨にして墓に埋める。
ノー。
俺は、跡形もなく消してほしい。
もしくは、骨ならそばに置いてほしい。
『キャプテン・ファンタスティック』みたいに、遺言だからって空港のトイレに遺灰を流すのも極端だし、『獅子王たちの夏』みたいに遺骨をボリボリ食われても、腹壊さないか、あの世があるならあの世で心配になるってもんなんだけどさ。

ほんとこれ。
亡くなった人のことって。
当たり前だけど、遺されたコッチなんだよね。
葬儀だってそう。その規模もそう。
大々的。家族葬。密葬とある。

俺だったらさ。
『ロッキー4』でJBが登場するくらい、ド派手に葬式カマしてほしいのはあるよ。ドルフ・ラングレンが唖然として、JBが腰振って、カール・ウェザースがノリノリみたいなヤツ。葬儀に参列してくれる人が何人いるのか知らんけど、どうせ極悪人の俺じゃ、生きてたら「仕方ねーから」処理に来た妹だけとかになりかねない。

それでも地獄の業火に焼かれるように斎場の竈の前でJBが「a feel good!!!」ってキメてくれたら、鼻に詰められた綿を渾身のチカラで吹き飛ばして参列者の失笑を誘うくらいのマジックはカマしてやろうかと生前の今から画策してんだけどな。

この歳まで生きてきた死生観がある。
見ず知らずのお父様に対する涙がある。
ツマミがなくて、ちゅ~るを啜る侘しさがある。

四十九日。
にゃんこ。
ちゅ~る。

おふたりと、
お父様と、
愛しいにゃんこ。

どうか、どうかの夜。
合掌。 

夜には降り出した涙雨
寒々しい曇り空の午後



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