HERE WE ARE / 旅立つ息子へ（2021年3月26日劇場公開）
イスラエルとイタリア合作の映画。
最近では自閉症スペクトラムという症名でその多様性に注意が向けられています。その症状を患うウリと父親との逃避行です。
ニル・ベルグマン監督の特徴は、画面の奥行きを上手く使った重層的な語り口。あくまでさりげなくです。その辺の客観性がこの映画への好感を高めています。
チャールズ・チャップリンの映画の様々なシーンがウリの支えになっているんですが、いつも見ているDVDプレイヤーが壊れた時に父親が描くパラパラ漫画の絵が上手過ぎるのは父親がイラストレイターだったから。こういう情報の伝え方が上手い。
「大粒の涙」を流すかどうかは人によりますが、あくまで控えめな演出プランを選択した事自体、監督の聡明さがわかります。挿入歌の「グロリア」がイタリア語だったのが個人的にはツボでした。
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