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A24配給映画を観る。THE FAREWELL / フェアウェル(2020年10月2日劇場公開)

ルル・ワン監督のストーリーテリングは優しくてちょっとコミカル。舞台のほとんどが中国だけど味わいはニューヨークストーリー。

主人公ビリーが初めは感情的だったのが、故郷で祖母達と過ごすうちに段々と心境が変化していく様が克明に描かれています。

薄っぺらい感動話に抗うようなチャレンジングな描き方ですが、実は死生観の東西比較をコミカルに伝えることがこの映画の目的だったのだなとわかります。

今の時代、そのような力を抜いた物語の語り方がより人々の心に届くという信念が感じられます。

色調も落ち着いていて、少し距離を置いたカメラの位置なども語りたいテーマのために計算されている完成度の高い映画。


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