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KING OF COMEDY / キング・オブ・コメディ(1984年5月19日劇場公開)

片付けをしていたら、昔ロンドンで買った「スコセッシDVD BOXセット」が出てきました。第96回アカデミー賞授賞式中継を見ていたらマーティン・スコセッシもロバート・デ・ニーロも元気な姿を見せてくれていました。と言うわけで。

公開から40年経っても色褪せない理由は、マーティン・スコセッシのスタイルが既に確立されているから。最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームン』にもしっかり受け継がれています。例えば最新作で音楽を担当したロビー・ロバートソンは本作でも音楽を担当しています。

まず、タイトルバックから心を掴まれます。こんなショットをストップモーションに出来るセンスは唯一無二のもの。

映画の始まり方も最新作のラストに引き継がれているスタイル。映画とショービズの関係性。

有名な笑う人々の前でコメディを演じる場面の絵画的なセンスもスコセッシの大切な特徴。

そしてお馴染みの俯瞰ショットによる悪いことが行われていることの神視点。スコセッシによる映画の発明と言ってもいいでしょう。

拳銃を持った手を画面の左から出すだけで、誘拐されて強制的に電話をさせられている場面を一気に分からせてしまうショットも天才的。

『パルプ・フィクション』もこの場面からインスピレーションを得たのでしょう。

胡散臭いパプキン(ロバート・デ・ニーロ)のスタンダップ・コメディを見せる際の編集とかキレキレです。

薄っぺらい80年代の雰囲気が不思議と今の時代にシンクロします。

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