L'HOMME QUI AVAIT VENDU SA PEAU / 皮膚を売った男(2021年11月12日劇場公開)
シリア難民のサム(ヤヤ・マヘイニ)が自由を得る為に自分の皮膚(というか背中)を売る映画。
それを買ったのは現代アーティストのジェフリィ(ケーン・デ・ボーウ)。コントロバーシャルな作風です。そのタトゥーはなんとシェンゲン・ビザ。
ジェフリィのアシスタント役ソラヤにモニカ・ベルッチが扮して怪しい雰囲気を映画に与えています。
タトゥーが彫られた背中はアート作品ですから、契約で縛られており美術展示会にその身が拘束され、逆に不自由を感じるという最大の皮肉。
よくこんな話思いついたなと調べてみたら、監督のカウテール・ベン・ハニアがルーブル美術館でビム・デルボア(本作にも保険担当者役で登場)による同じようなインスタレーションを見たことから着想したとか。
シリア難民という限定的な地域の苦悩は入り口で、なんと切れ味のあるサスペンス映画が出口という転調に驚かされました。芸術の持つ人間に対するアイロニカルな視点もあって不謹慎かも知れませんが楽しめます。
(追記)日本版ポスターが解禁になりました。
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