REMINISCENCE / レミニセンス(2021年9月17日劇場公開)
ヒュー・ジャックマンとレベッカ・ファーガソンのコンビは『グレイテスト・ショーマン』以来ですね。
レミニセンスとは記憶した直後よりも、一定時間が経ってからのほうがよく記憶を想起できることを表す心理学用語。
その言葉を字幕では「記憶潜入する」と訳してます。その印象だと記憶潜入探偵の話かなと思って観ましたが、全く違いました。
メイ(レベッカ・ファーガソン)に溺れるニック(ヒュー・ジャックマン)の恋愛映画でした。しかも探偵仕事そっちのけで突然姿を消した彼女を追いかけ回すのがストーリー。
ただ、水没しそうなマイアミがヴェネツィアのように美しく、クリストファー・ノーランの義妹のリサ・ジョイ監督の美的センスは好きでした。
大きな観覧車を背にニックがメイを探すシーンは『第三の男』を思い出します。こういう場面が撮れるかどうかで映画への印象が変わります。
記憶潜入する装置は『マイノリティ・リポート』のスチームパンクヴァージョン。一つ大きな問題は、記憶の画像なのに神視点という部分。一応劇中そのことについて説明がありますが、納得させるにはちょっと無理があります。
プロットを組み立てている土台がかなり脆いので物語は破綻してはいませんがストーリーは弱いです。ギリシア神話のオルフェウスのとエウリュディケーの物語が出てきますので予習をしてから観てもいいかも。