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TÁR / ター(2023年5月12日劇場公開)
ケイト・ブランシェットがほとんど出ずっぱりの158分。
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指揮者であり作曲家のリディア・ター(ケイト・ブランシェット)の華々しい人生とあることをきっかけに始まる転落の人生。こういうのは男性主人公の映画によくあるストーリー展開でしたが、トッド・フィールドがケイト・ブランシェットを念頭に脚本を書いたというだけあった、ケミストリーがすごい。
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リディアは家庭持ちで、パートナーの彼女はコンサートの一員。つまり自分の指揮する楽団の一人と家庭を持っている訳です。この辺りからもわかるように自分がオーケストラだけでなく人生の指揮をも執っている自己中キャラ。
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で、いろんなトラブルに襲われます。でもその大半は自分で蒔いた種。彼女に寄り添って映画を見ていると特に後半はちょっとかわいそうになってきますが、まあ自業自得だからなぁというので他人の不幸観察モード。
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指揮者としてはマーラー5番をライブレコーディングする予定らしく、そのリハーサルの場面がたびたび登場します。その指揮の様子が過剰でありながらリディアのキャラをよく現しているので、ケイト・ブランシェットが数々の映画賞で評価されているワケです。
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で、この映画何を描こうとしているのかというと、格差でしょうね。才能であれ財産であれ持てるものと持てないものの決定的な差。でもそれは表には出てこないのでケイト・ブランシェットの怪演に振り回されて楽しむべきでしょう。
(追記)日本版ポスターが解禁。やはりそのヴィジュアルできたか。
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