IL COLIBRI / はちどり
またまたピエルフランチェスコ・ファヴィーノの主演。
ナンニ・モレッティの役が明るい死神のようなキャラクター。
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ演じる主人公マルコの半生を描くクロニクル映画。当然彼の家族との関係がその中心になります。妻のマリーナ(カシア・スムトゥニアク)と娘のアデル(ベネデッタ・ポロカローリ)に囲まれて幸せそうに見えますが、全くそうではないんです。
それはベレニス・べジョ演じるルイーザと不倫関係にあるから。そういうところで共感を抱きにくい主人公。その為に彼の人生に降りかかってくる不幸の傍観者としてのポジションを観客が得ることができるのです。
見事なのは時制を縦横無尽に行き来して、主人公が導かれる見えない運命の赤い糸が見えてくるような構成。観客をなんとも言えない気持ちにさせる作劇を考えたフランチェスカ・アルキブージのストーリーテリングに対する強固な自信を感じます。
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