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DADDIO / ドライブ・イン・マンハッタン(2025年2月14日劇場公開)

タクシーの中というワンシチュエーションによって乗客と運転手に不思議な絆が生まれます。ちなみに原題のダッディオはDAD=父にDIO=神(イタリア語)を足して神聖なる父性ではなく、父親ほどの歳の離れた男性への親しみを込めた呼称です。映画を観終わるとそのタイトルが沁みるのですが、邦題でそのニュアンスを訳出するのはさすがに難しかったかな。

ガーリー(ダコタ・ジョンソン)

女性客が秘密を隠し持っているのがわかっちゃうんですよね、20年以上のタクシー運転手だと。ありそうなシチュエーションと本当にいそうな乗客と運転手。すごくリアリティがあります。

後部座席の窓を開けて話し込む二人

女性客の人生に関して時に大胆に干渉してくるタクシー運転手のクラーク(ショーン・ペン)の語り口に観客もタクシーの後部座席で揺られているような気持ちになります。

タクシーの運転手はなぜかいつも半袖

ショーン・ペンとダコタ・ジョンソンの二人の話芸にすごく引き込まれます。JFK空港からマンハッタンの女性客のアパートまでの乗車、話題はお互いの素性のことから始まって段々と核心である女性客の秘密に迫っていきます。そこまでの会話の流れが本当にスムーズ。しかもそんなにシリアスな会話ではなくどちらかと言うと楽しい会話。そんなんで100分持つのかと思われがちですが、これが持つどころかとても面白い。エピソードの組み立てが見事なんです。バレンタインデーに劇場公開ですが、カップルで観る映画ではなく、一人で映画館に逃げ込んで観る映画。


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eigadays
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