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CONCLAVE / 教皇選挙(2025年3月20日劇場公開)

映画は嘘である。でもその嘘が時に現実以上に現実を象徴するから観ていて面白いのです。これもそんな映画。教皇選挙が大変なことになります。

ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)

ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂での映画撮影は許可されていないので、同じローマにあるチネチッタでシスティーナ礼拝堂のセットを立てたそうです。とてもよく出来ていると思いました。

ローレンスとベッリーニ(スタンリー・トゥッチ)

教皇選挙実行委員長のローレンス枢機卿。選挙を運営していくにあたり様々な苦難が笑っちゃうほどてんこ盛りです。しかもどの苦難もその原因が実に俗っぽい。これは現実でもスキャンダル繰り返している聖職者たちへの大いなる皮肉です。

階段を降りながらバッドニュースを聞かされるローレンス

15世紀から続く教皇選挙、今の時代のコンプライアンスに照らし合わせてみれば、全く相容れないことが行われていても不思議ではありません。そういう発想のもとにプロットが組み立てられています。

シスター・アグネス(イザベラ・ロッセリーニ)は見た

ミステリー要素もあり知らず知らずのうちに固唾を飲んで選挙の行方を見守っている自分がいました。問題が発覚する度に候補者にダメ出しをしていくローレンスがお気の毒です。教会の威信が揺らぎかねない絶望的な状況を象徴する場面の演出が巧かった。映画はサタイア=皮肉に満ちてはいますが批判的ではないのでメッセージは弱いと思います。

鑑賞前に読んでおくと良い人物関係相関図

今年のアカデミー賞に8部門でノミネートされています。主演男優賞に本作のレイフ・ファインズ、あるかもです。

(追記)第97回アカデミー賞でピーター・ストローハンが脚色賞を受賞。




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eigadays
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