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OPPENHEIMER / オッペンハイマー(2024年3月29日劇場公開)
この秋、欧州に行く機会があったので、パリとロンドンで『オッペンハイマー』を観てきました。日本で公開されていないからと言って先に観たことを自慢したいわけではなくいつものようにこの映画についてどう思ったかを綴りたいと思います。
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パリでは「シネ シテ レ アル」というシネコンで観ました。土曜日の午後で上映開始10分前に席に着いた時は半分くらいの入りでしたが、開始間際には満席になりました。驚いたのがシネコンなのに自由席。しかも後から来た客が空いてる席の間に座っている人に詰めてくれないかと頼んでいたり、でも誰も嫌な顔ひとつせず席を変わってあげていました。
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料金は€14.90=2,300円。かなり横長のスクリーンでしたが小さい箱の割にスクリーンがデカく迫力はありました。VOstFというのはVersion Originale sous-titrée en Français、オリジナル版フランス語字幕です。
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ロンドンでは横20メーター、縦26メーターの英国最大のIMAXスクリーンを誇る「BFI IMAX」で。クリストファー・ノーランに「ここのスクリーンで観てもらうことがこの映画にとって最適」と言わしめた映画館です。
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原爆の炎の色でしょうか、上映前の雰囲気作りもちょっと他の作品の上映時には見たことがないような演出。ただイギリスでの公開後既に2ヶ月経っているので客入りはまばらでした。
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料金は£24.00=4,500円とさすがに結構しましたが、その価値のある映画鑑賞でした。いや映画体験と言った方がいいかも知れません。それほど没入感がありました。演出も場面の入りのショットがほとんどIMAXカメラで撮影したものだったので実に大きな物語を観ているのだという感覚になりました。
『オッペンハイマー』はクリストファー・ノーランにとって異例づくめの映画です。それは本作の製作・配給を請け負ったのがユニバーサルだからです。
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ノーラン映画はこれまでほとんどの作品をワーナー・ブラザースが公開してきましたが、劇場公開から配信へ移行する期間を全く設けないという経営方針に反発。「製作予算1億ドル、同額のマーケティング予算とクリエイティブの全面監修、劇場公開1日目からの総収益の20%、およびリリースの3週間前または3週間後に、別の映画をリリースしないスタジオのブラックアウト期間、劇場公開から配信開始まで8週間以上の期間を置く」という条件をのんでくれるスタジオと契約をするという方針を打ち立て、すべての条件を快諾したのがユニバーサルというわけです。
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その結果、製作費に対して世界中でほぼ10倍もの興行収入を叩き出す大ヒットを記録。ノーランとユニバーサルの決断は吉と出たわけです。しかも特筆すべきは上映時間が180分、そしてR指定というハンデを抱えてのこの成績です。R指定映画では現在のところ『ジョーカー』に次いで第2位です。
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ここからはサイトで一般に公開されている決定稿(ワーキングタイトルは"GADGET")を読み込み、米ヴァライエティ紙のブレント・ラングによるクリストファー・ノーランへの2万字インタビューから本人の言葉を紹介しながら、『オッペンハイマー』の魅力に迫っていきたいと思います。
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