ENNIO THE MAESTRO / モリコーネ 映画が恋した音楽家（2023年1月13日劇場公開）

この映画は日本のギャガが幹事製作会社なんですが、日本での劇場公開は2022年3月の予定が延期されたままです。

監督はジュゼッペ・トルナトーレ。エンニオ・モリコーネの自伝映画を撮るのに彼ほど適した人はいないでしょう。

面白いのはこのドキュメンタリーの構成です。70名を超える映画、音楽業界関係者のエンニオの音楽がいかに優れているかについての証言だけでも凄いのですが、それに加えてエンニオ自身が自分について、自分の音楽について饒舌に語っています。この話がまたすこぶる面白いんです。

例えば、『ミッション』のスコアで誰もがエンニオのオスカー受賞は間違いなしと思われていた時、受賞したのはハービー・ハンコックでした。そのことに対するコメント、負け惜しみなんですがちゃんとロジカルなんです。後年アカデミーもエンニオの業績を讃え、特別功労賞を授けるのですが、ちゃんと『ヘイトフル・エイト』で音楽賞を取るところとか実にカッコいいし、自伝のストーリーとしても綺麗に着地していました。

もうとにかく情報量が凄まじく、150分を超えるドキュメンタリーなのに一瞬たりとも飽きずに見ることができました。もちろんエンニオが凄いのですが、トルナトーレも凄いです。

（追記）日本版ポスターが解禁。