THE UNHOLY / アンホーリー 忌まわしき聖地

2021年の復活祭に合わせた4月2日に全米で公開。

この挑戦的なホラー映画をプロデュースしたのがサム・ライミ。

アリス（クリケット・ブラウン）は耳が聞こえず、口が聞けない障がい者。ジャーナリストのジェリー・フェン（ジェフリー・ディーン・モーガン）がネタ作りのためにそうとは知らずに悪魔の封印を解いてしまい、その悪魔の力でアリスの障がいが消えるという奇跡が起こります。

街の人々がそのアリスの奇跡を信じてしまうんです。発端はジェリーの軽率な行いなのに。1983年に発表された原作をフェイクニュースが話題になっている今映画化すればヒットするかもというのがサム・ライミの狙いだったんでしょう。

そのプロデューサーの目論見を監督・脚本のエヴァン・スピリオトポウロスは上手く実現できませんでした。信仰と恐怖の代理戦争を単なるモンスターホラー表現に貶めてしまったからです。

魅力的な素材だと思いますが、ホラー映画表現の新境地を切り開くんだという『死霊のはらわた』的な野心が欠けていました。　

（追記）日本版ポスターです。