EN MAN SOM HETER OVE / 幸せなひとりぼっち(2016年12月1日劇場公開)
スウェーデン映画。最近『オットーという男』というタイトルでハリウッドリメイク版が日本でも公開されました。元々はフレドリック・バックマンの同名小説が原作です。
オリジナルの方の主人公の名前はオーヴェ(ロルフ・ラスゴード)です。リメイク版ではアメリカ在住のスウェーデン人に多い名前だからと、オットー(こちらはトム・ハンクス)になったようです。
オーヴェというキャラクターの掘り下げは、映画のかなりの部分を占める過去パートによって明らかにされます。逆にハリウッド版は現在パートが多めなので主人公は謎多いキャラクターです。
妻ソーニャ(イーダ・エングボル)との関わりしか描かれないリメイク版と違い、オーヴェの父親との悲しいエピソードや、オーヴェが家を延焼で失う場面などを丁寧に描いているので、観客はオーヴェの人生に同情を覚えるように演出されています。
本作は基本コメディ。クスりとさせられる場面が多い中、SAABとドイツ車をめぐりやりとりが一番面白かったです。ここはオリジナル版の勝ちですね。
『幸せなひとりぼっち』という邦題はよく考えると、全然映画の内容を表現できていませんね。確かにオーヴェはひとりぼっちですが、全然幸せではないもの。幸せってなんなのかということを考えさせてくれる秀作です。
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