MONDO CANE / 世界残酷物語HDニューマスター版(2021年3月5日劇場公開)
ついに映画館で観ることができました。
「未体験ゾーンの映画たち2021」のおかげです。
まず驚いたのはロッサーノ・ブラッツィがスーツを作りに百貨店に赴いたら、女性たちに身ぐるみ剥がされるというシークエンス。タイトルバックは吠える犬をこれまた吠えている犬の檻に放り込む映像でした。それに続くシーンとしては衝撃的過ぎます。
私の人生をある意味決定づけた『旅情』のロッサーノ・ブラッツィにこんな形で再会するとは。
あとはもう、世界中から集めた奇異な映像とおよそ不釣り合いな主題曲「モアー(心の奥底に)」を大音響で聞くだけです。
この映画ちゃんと動物虐待と人間虐待を交互に描いているところがポイントです。つまり人類文明の野蛮な側面を批判しているのです、しかもユーモアを交えて。
イタリアの子供たちもこのモキュメンタリーに動員されているのが可笑しかったです。日本も何度か登場しますね。60年前の日本だからって言い訳できないですよ。今でも根深く残っている日本的性差の事実を過去から突きつけられました。
昔も今も世界は残酷な物語に満ちています。