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LA RAGAZZA CHE SAPEVA TROPPO / 知りすぎた少女(2021年8月9日劇場公開)
ジャッロ映画の原点と言われている幻の映画がついに日本初公開です。
イタリア語の解説をするとCHEは人物の場合はCHIなのですが、知りすぎたことを強調する場合にはCHEになるというのがイタリア在住経験のある友人の見解です。
知りすぎた少女はノーラ(レティシア・ロマン)。オーセンティックな美少女です。冒頭、飛行機で隣りに座った紳士からマリファナ入りのタバコをもらったことで現実と幻覚の境が曖昧になります。
この映画おそらく『ローマの休日』よりもスペイン階段が多く登場します。レティシア・ロマンの端正な顔が叫び顔に変わる瞬間がジャッロ映画誕生の瞬間だったわけです。
女優のアップが多用されていますが、彼女の思い過ごしなのか実際に事件が起こっていたのかという境を観客は彷徨うことになります。信頼できない話者に導かれる映画です。
マリオ・バーヴァの再評価が本格的に始まった感じです。
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