A QUIET PLACE PART II / クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年6月18日劇場公開)
ハンディキャップホラー映画の続編を映画宣伝素材から考察します。
前作では口を押さえて涙を流すエヴリン・アボット(エミリー・ブラント)がキーヴィジュアルでした。
チラシの裏面で「音」が重要なテーマであることを伝えています。
アートポスターでは耳の形と音の伝わりが象徴的に描かれています。
本国のキャッチコピーも頭韻を踏むHEARとHUNTを折り込んで恐怖を想像させる宣伝です。
続く続編では「破られた沈黙」という副題をつけてあたかも単独のホラー映画のように宣伝されています。日本人観客は「家族」モノが好きという先入観から選ばれたヴィジュアル。
チラシの裏面を見ても続編であることは極力隠され、配信に押されまくりの映画館事情を反映してか劇場体験を謳う宣伝方針のようです。
アートポスターではキーとなるラジオの周波数と電波塔のような建物と重ねるように赤ん坊を抱くエヴリン・アボットの影というヴィジュアル。情報量が増えていますね。
前作のあの悲劇の場所から話は進んでいますという意味深なティーザーポスター。
「果たして生き残れるのか」というキャッチコピーも絶望感を高めています。とにかく観る前の予想をはるかに超えて深く、鋭く人間の本質を描いたフランチャイズになっていました。特に後半のカットバックの多用によるサスペンスの盛り上げ方はオーソドックスな手法ですが、巧かったです。更なる続編もありそうです。
これは「ヘビー・スポイラーズ」というユーチューブの番組です。盛大にネタバレですので観賞後にどうぞ。